2020 Fiscal Year Research-status Report
不妊治療終結期の女性の意思決定支援プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
16K12091
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
丸尾 亜喜代 (三尾亜喜代) 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (30632848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 美紀 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10315913)
小松 万喜子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (50170163)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 不妊治療終結 / 意思決定支援プログラム / 意思決定支援ガイドブック / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもを得ることなく不妊治療を終結する女性のその後の人生のQOL向上に向けた不妊治療終結期の意思決定支援プログラムを作成し、実用化を目指すことである。本年度は、昨年度に引き続き、意思決定支援プログラムの媒体である意思決定支援のためのガイドブック試行版(以下、ガイドブック試行版とする)の実用可能性の検証をおこなった。高度生殖補助医療実施施設などへ研究協力依頼をおこない、承諾が得られた施設に、条件に該当する当事者へのガイドブック試行版の配布または当事者が自由に手に取れる場所への設置を依頼した。COVID-19 禍において、研究協力への同意が得られた当事者は4名であった。面接調査は、対面とオンラインでおこなった。面接結果をもとに、「内容」「構成」「有用性」の視点で評価をおこなった。「内容」では、当事者の心情を配慮した言葉などの修正が求められた。「構成」では、意思決定を進めていく上で、夫婦で互いの気持ちを理解するための章の追加などが求められた。「有用性」では、治療終結期の当事者のみならず、治療を始める時期、治療中の当事者にとっても参考になるとの意見があった。ガイドブック試行版の設置を依頼した施設の担当者からは、設置した冊子すべてが渡ったことから、終結期のみならず、どの段階の当事者にとっても興味をひくものであり、ガイドブックの需要は大きいとの意見も頂いた。 今後は、目標としている例数(10名程度)となるように面接対象者を増やし、当事者の意見を収集し、分析をおこない、意思決定支援ガイドブックを完成させるとともに、意思決定支援プログラムの構築を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染防止対策にて多忙になった施設から協力が得にくかったこと、依頼のための施設への訪問に制限が生じたことなど、協力施設を得ることに時間を要したことによる。 また、日本生殖医学会の声明(COVID-19 感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる COVID-19 予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示することを推奨する:令和2年4月1日)により、研究協力が得られた施設でも、受診者数の減少や受診者の制限をおこなっていること、対面のみの面接を希望された方からお断りがあったことなど、対象者の確保に時間を要したことによる。
|
Strategy for Future Research Activity |
面接対象者の確保に向けて、今後も協力施設を増やして依頼を続ける。COVID-19感染予防をおこないながら、面接の時期を考慮し対面での面接をすすめるとともに、対面での面接が難しい場合には、オンラインでの面接の方法を提示しながら、順次面談をおこなう。面接調査が滞っているため、分析期間の短縮が懸念される。逐語録作成を業者へ委託するなどし、時間短縮を図る。なお、委託する際は、守秘義務契約を結び依頼する。
|
Causes of Carryover |
面接調査をオンラインでおこなったこと、対象者の確保が困難であったことから、協力者への交通費や謝礼費の執行が少なかった。また、同じ理由により、面接場所の借用費用の執行がなかったことが主な理由である。また、参加を予定していた学会の開催中止やオンライン開催により旅費が不要となったことによる。 現在、面接の依頼を進めているため、計画的に予算を執行していく。
|