2016 Fiscal Year Research-status Report
母体・胎児集中ケアのための研修プログラム実用化に関する研究
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16K12099
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
大月 恵理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90203843)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MFICU / ハイリスク妊娠 / 看護 / 卒後研修 / デルファイ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、これまで作成したMFICU看護職に必要な学習項目案について妥当性をデルファイ法の第2回目調査を実施し、その結果を検討した。 全国総合周産期母子医療センター104施設の母体・胎児集中治療室に勤務し、所属施設内の研修会企画にかかわったことのある看護管理者等を対象に、自記式質問紙調査を行った。第1回目で合意率の低かった項目については、一部削除し、説明を加筆・修正し、大項目8、中項目22、小項目68について、「絶対実施することが必要」「実施することが望ましい」「できれば実施したい」「実施する必要はない」の4段階で調査した。 41施設より回答があり、回収率は39.4%であった。合意率95%以上を基準として、小項目68のうち、「絶対必要」は4項目で、「CTGの判読」、「PIH」、「前置胎盤」、「FGR」であった。「望ましい」まで含めると37項目、「できれば」まで含めると66項目となった。合意率92.5%の2項目は、中項目「対象者とのコミュニケーション」の内容で、「必要はない」とした理由は、「すべての看護職に必要」「MFICUに特化していない」であった。 97%の小項目は合意が得られ、概ね妥当であったと考える。「絶対必要」で合意された項目はMFICUに特化した内容である可能性が高い。しかし、自由記述もあわせて分析すると、MFICUに特化した内容であるかどうかについての判断は、各施設の入院患者の状態と後方病床の状況に影響を受けているのではないかと推察された。 本成果を、第58回日本母性衛生学会学術集会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、デルファイ法によりMFICU看護に必要な能力を身に付けるための学習項目案について妥当性を確認することを計画していた。計画に従い、質問紙調査を行った。第1回目の調査よりやや回収率もあがり、学習項目案は概ね妥当であると評価できた。さらに、MFICUに勤務する母性看護専門看護師の意見を確認することも考案していたが、内容的に不要であると判断したため、実施していない。 今後、この結果をふまえ、また、前年度までの研究成果もふまえ、広く利用されるように研修会の内容・運営方法を修正していくよう計画しており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで試行していた研修会が、「実用化」するためには、講師を養成することとも必要であるが、教材を工夫することも重要である。平成29年度は、利用しやすい教材作成に努める。
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Causes of Carryover |
研究会議を2回開催したが、遠方の研究者が延べ2回こられなかったこと。また、当初母性看護専門看護師にインタビューをする計画があったが、調査結果を分析し、あらためての意見聴取が不要と判断されたため、予定していた旅費が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研修会実用化に向け、講師養成および研修内容の見直しを計画しているが、さらに教材に工夫が必要であると評価した。事例検討のための作成した事例を紹介する際に、イメージ化を促進するため、事例を動画で紹介することを計画しているので、本来の計画より、研修内容見直しに費用がかかると考える。その費用の一部とする。
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