2016 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期から育児期における腰痛とその関連要因に関する縦断的検討
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16K12104
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
植村 裕子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (50353149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 惠子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30310254)
榮 玲子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (80235134)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学 / 妊婦 / 腰痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①妊娠初期から産後3か月までの妊娠による腰痛を縦断調査で明らかにする、②妊娠による腰痛の関連要因を明らかにする、③妊娠期から産後3か月までの妊娠による腰痛の関連要因の一つである骨盤形態の客観的評価を行う、④妊娠による腰痛と骨盤形態との関連を明らかにする、⑤切れ目ない妊産婦の保健対策として、妊娠による腰痛の保健指導指針を構築することを目的としている。 平成28年度には、妊娠期の腰痛に関する英文、和文の文献検討を行い、研究の枠組みを構築した。それを基に、調査票等を作成し、徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会およびA医療センター倫理委員会の承認を得た。A医療センター、B助産院において調査を開始した。データ収集と並行し、得られたデータをまとめ、結果を分析した。主に、妊娠期(妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期)の分析を行い、学会および雑誌等で公表した。 結果の概要として、妊娠初期の6割は、軽度の腰痛・骨盤痛を自覚していた。妊娠前に腰痛の既往がある者、前回妊娠期間に腰痛の既往がある者は、妊娠初期の腰痛・骨盤痛の発症と関連していることが明らかになった。また、妊娠初期の腰痛・骨盤痛の程度が強くなるほど、日常生活における制限が増しており、日常生活の不快をもたらしていることが考えられた。したがって、妊娠前に腰痛の既往がある者、前回妊娠期間に腰痛の既往がある者は、妊娠初期の腰痛・骨盤痛の発症に留意すべき対象であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A医療センターでは、研究者もしくは調査協力者が外来診療の間に対象へ研究の趣旨を説明し、初回の承諾時に、妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期、産後1週間、産後1か月、産後3か月、5回分の調査票をセットしたファイルを渡し、各時期に外来に設置してある回収箱に投函もしくは郵送を依頼している。B助産院では、研究者もしくは調査協力者が対象へ研究の趣旨を説明し、同意を確認後、調査日程の調整を行い、妊娠中期、妊娠末期、産後1週間、産後1か月、産後3か月の時点で調査票を用いた対面調査、骨盤形態の測定を行っている。現在、A医療センターでは妊娠初期の対象に150部配布、B助産院では妊娠中期の対象9人の対面調査、骨盤形態の測定を開始している。しかし、前向き調査であるため、時間経過とともに調査票の回収率は低下している。また、B助産院においても、対象の妊娠経過の異常がみられたり、研究者と対象との調整が取れなかったりと、継続した調査の実施が難しい。全期間の対象を確保するには時間を要することが予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続きデータ収集を継続して行う。A医療センターでは、途中脱落を見越して300部の配布を目指す。B助産院では、途中中断を見越して50名の対象を確保する。また、6月には国際学会で発表することで、新しい知見を得て、海外の研究動向を視察する。得られた結果を分析し、国内の学会においても、公表していく。さらに、英論文の投稿をすすめていく。 平成30年度は、データ収集は状況に応じて継続する。国内学会、国際学会での発表および英論文の投稿により、研究成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度に購入予定であった測定器具、パソコン周辺機器を購入していないため、次年度使用額が大きくなっている。購入予定であった測定器具と同等の器具で、現在調査を遂行している。また、パソコン周辺機器の購入は、選定に時間を要している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、設備備品費としてパソコンおよび周辺機器470千円、統計解析ソフト400千円、 その他として英文論文のオープンアクセスに要する費用400千円として使用する。
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Research Products
(3 results)