2018 Fiscal Year Research-status Report
産後クライシス予防に向けて父親のコンピテンシー強化に着目した育児支援システム構築
Project/Area Number |
16K12113
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
鈴木 幹子 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (90269457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄番 千恵巳 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (60739423)
立石 和子 仙台赤門短期大学, 看護学科, 教授 (80325472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 産後クライシス / 父親のコンピテンシー / パートナシップ / 育児経験のメリット / 地域連携 / 産後ケア事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産後クライシスを乗り越えるための育児支援システムを構築し、出生前から乳幼時期にかけての育児支援事業を企画・運営し、その効果を検証することである。 産後クライシスに関する文献検討や出産・育児の経験者に産後クライシスに関する意見聴取から得られた結果を踏まえ、産後クライシス対策に向けての育児支援システムの一つとして産後ケア事業について検討していった。 既存の産後ケア事業を調査した結果、市町村が中心となって行われている事業だけでなく、民間で独自のサービス(家事代行、美容などを含む)を提供する事業もみられた。また、大学が地域と協働して立ち上げた産後ケアセンターもいくつか設立されていた。大学の使命である教育活動・研究活動・社会貢献の観点から、大学ならではの産後ケア事業が展開できる可能性を見出すことができた。また、産後ケア事業においては地域と連携し、必要な情報を共有し継続した支援の事業展開が重要であることが明らかにされた。 これまでの産後ケア事業モデルをもとに大学が設置主体となった産後ケア事業について検討していった。産後ケアでは、育児の相談を気軽に受けられる場や産後の母子が休める場の提供、母親と父親だけでなく家族が参加できる育児に関するイベントの開催などが考えられた。設置主体が大学であることにより、最新の育児事情や夫婦関係の研究に基づく産後ケアの提供、栄養を専門とする学科や保育を専門とする学科との連携による健康教育や保健指導の実施も可能となる。 産後クライシスの対策には、夫婦がパートナシップを築き上げていくためのコミュニケーションが重要である。夫婦がコミュニケーションをとり、育児経験をプラスに捉えて前向きに育児に取り組める支援が必要となってくる。父親としてのコンピテンシーの発揮が母親の精神的な支えとなるよう、産後クライシス対策に向けての育児支援システムについて検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学が設置する産後ケア事業についての計画立案と準備の段階に移行し、産後ケア実施の場所の設置に向けて時間を要した。大学と地域との連携を図るため、産後ケア事業に関する資料を準備して市役所や保健所等に出向き、話し合いを何度か行った。また、大学内の教職員の理解を得るための説明や開設に向けての場所の確保、人材確保、物品の確保などにも時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
大学内に産後ケアサロンを立ち上げ、産後クライシスを乗り越えるための事業展開を実施する予定である。産後の母親が気軽に育児相談できる場の提供や、リラックスできる場を提供するとともに、父親のコンピテンシーを高めるイベントを開催し、産後クライシス予防への効果を検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究者で協力して研究をしていったため、人件費を使用しなかった。
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