2017 Fiscal Year Research-status Report
ターナー症候群の子どもと家族におけるライフサイクルを基盤とした支援モデルの構築
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16K12118
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 家族看護 / ターナー症候群 / ライフサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ.第1研究は、「TS女児の家族の支援に関する研究」であり、主たる養育者である家族の成長・発達の思いからQOLの実態を明らかにする。研究目的は、ターナー症候群の女児(以下、TS女児とする)の家族が抱く、子どもの成長・発達と成長・発達に関連した女児に対するQOLへの思いのプロセスを明らかにすることである。質的帰納的研究とした。データ収集期間は、2016年10月から2017年4月である。対象者は、TS女児の家族である。M-GTAを用いた分析の結果、の9つのカテゴリーが生成された。家族の思いによりそい、女性としての妊娠・出産というライフイベントについて、TS女児と家族に対する支援がQOLの向上につながると考えられる。 Ⅱ.第2研究は、先行研究の様々なQOL尺度の概念分析と基礎資料をもとに、より現実に適合した尺度を作成する。Rodgersら(1999)の概念分析のアプローチを用いる。研究目的は、小児看護における小児のQOLの概念の特徴を把握し、QOLの本質を捉えた尺度の開発への適応可能性について検討する。 Rodgers(2000)の提唱する概念分析のアプローチ法を用いた。データベースとして、「医学中央雑誌Web(ver.5)」、「CiNii」を使用した。検索式:(小児看護and生活の質/QOL and小児)の文献を選んだ。結果として、該当論文19件で、すべてを分析対象とした。5つの属性、4つの先行要件、6つの帰結が抽出された。概念分析の結果、小児のQOLの本質をとらえることにつながり、今後の研究において小児のQOLを測る尺度を開発する基盤となりうると考えられる。心疾患や小児がんなどの健康障害をもつ小児、重症心身障がい児や慢性進行性疾患などの小児、親・家族に対する支援の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1研究、第2研究が終了し、論文化した。現在、第3研究の、QOL尺度の開発に向けての基礎的資料をえるための調査について、倫理審査申請の手続きをしている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度4月開催における倫理審査申請を提出した。倫理審査通過後、すみやかに調査対象への依頼を進める。調査期間:聖隷クリストファー大学倫理委員会の倫理審査承認後から2018年10月31日までとする。調査対象は、学童期から青年期(約12歳から約25歳)のTS女児と家族である。 調査は、無記名自記式質問紙による、集合配布法あるいは郵送法による。質問紙の提出をもって調査への同意とすることを、研究協力依頼文書に明記する。配布数は、TS女児約50名程度、家族約300部を行う。回収後、速やかに分析をすすめて、報告書の作成を行う。
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Causes of Carryover |
面接調査のテープ起こしを研究者が実施したため、経費の計上がなかった。第3研究の調査対象者数が多くなる見込みのため、報告書作成して結果の還元の経費とする予定である。
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Research Products
(3 results)