2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an effective menstrual pain coping education program for junior and high school girls and their mothers to help the daughters cope with menstrual pain
Project/Area Number |
16K12124
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
福山 智子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (00559247)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 月経痛 / セルフケア / 高校生 / 母親 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の10代後半から20代前半女性のおよそ80%に月経痛がみられるが、「月経痛に積極的に対処する」という考え方は多くはなく、セルフケア不足(意図的に症状に対処できない状態)によって月経痛をコントロールできず、日常生活に支障をきたしている。中高生の月経痛のセルフケア不足の背景には、学校で教育があまり行われていない現状と、母親が娘に教育する自信の欠如等による家庭内教育の不十分が問題として挙げられる。しかし、大学生になると教育プログラムによって月経痛対処のセルフケアを獲得して、月経痛コントロールによって月経痛を軽減できる(福山,2017)。そこで本研究では、中高校生の娘にはどのようなアプローチが有効かを検証することを研究課題とした。 研究は、高校生が正しい月経痛に関する情報を得て、母親と相談しながら月経痛軽減のためのセルフケアを獲得する母親参加型学習プログラムの評価を目的とした。便宜的標本抽出法で5校169名の協力を得て、プログラム実施の有無で2群に振り分けプログラム前後で比較した。最終的な評価対象は介入群57名、比較群55名で、開始時の介入群の月経痛NRS6.8(SD1.9)が比較群の月経痛NRS5.9(SD2.0)より有意に強かった(p=0.016)。二元配置分散分析で交互作用を認めたのは「月経痛レベル」(p=0.001)、「月経痛の知識」(p=0.007)で、介入群の知識は増え、月経痛はNRS4.3(SD2.7)に軽減した。介入群の会話は有意に増えたが(p=0.014)、セルフケアを示す「月経痛コントロール」に有意差はなかった。プログラムは会話を促進し、高校生の月経痛の知識の増加と月経痛軽減に有益だがセルフケアの獲得には至らなかった。つまり、教育プログラムで母親も知識を得るため、高校生は母親の影響を受けながら月経痛に対処して月経痛を軽減することが明らかとなった。
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