2019 Fiscal Year Research-status Report
可視化したバイオマーカー指標を用いた喫煙妊産婦への禁煙支援介入効果の検証
Project/Area Number |
16K12128
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塚原 ひとみ 福岡大学, 医学部, 教授 (20555403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 愛 福岡大学, 医学部, 助教 (20714835) [Withdrawn]
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 教授 (30461536)
佐久間 良子 福岡大学, 医学部, 准教授 (80554758)
古賀 綾 福岡大学, 医学部, 助教 (60847515)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 禁煙 / 喫煙 / 妊産婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
「妊産婦が喫煙を継続あるいは禁煙行動を決定する心理過程と決定に影響する因子に関する探索研究」について所属する大学の倫理審査を終了し、現在実施途中である。令和元年9月より実施し、15症例のデータが得られ、現在分析途中である。 分析に至った12症例中、喫煙継続症例は4例、妊娠による禁煙症例は7症例である。12症例の平均年齢33.3歳(23歳~39歳)、喫煙開始年齢は全員が20歳以下(13歳~20歳)であり、低年齢の喫煙開始であった。TDS得点5点以上が7名であり、喫煙継続例は全員がTDS5点以上であった。 喫煙のきっかけは「周囲の喫煙による興味本位、仲間に入りたい」との意識からの喫煙開始である。妊娠しての喫煙は、「いけないことだとは思うが吸いたい衝動がある」「仕事や子育てのイライラを発散させるためについ・・・」「吸うこと自体が習慣」といった言葉で語られている。 妊娠中の禁煙のきっかけは、「つわりでの吐き気や臭いによる気分不快」から禁煙行動に至ったものが4名、赤ちゃんの影響を考えての禁煙した者が4名である。しかし、単に赤ちゃんへの影響を自分自身で考えただけでなく、実際に周囲の友人の経験談や自分自身の妊娠中の異常という状況が加味された結果禁煙へとつながっている。出産後の喫煙行動の予測では、現在禁煙者7名の内、「絶対に吸わない」としたものは1名であり、分娩・授乳期を経て喫煙再開する可能でが高い。したがって、妊産婦の喫煙者は減少しているが出産後の喫煙再開が危惧されるため、喫煙防止のための支援が重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「妊産婦が喫煙を継続あるいは禁煙行動を決定する心理過程と決定に影響する因子に関する探索研究」について年間分娩件数が500例以上の1施設で実施しているが10か月間で15症例のデータが得られ、現在分析途中である。中でも妊娠中に喫煙を継続している症例は少なく、目標症例までには6カ月以上要すると考えられ。社会的・医療的ハイリスク妊産婦が対象になっている状況であり、引き続き研究を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
妊産婦が外来受診時の調査だけでなく、異常時の入院後の調査対象を含んでおり、入院中の禁煙は入院制限の下で可能である。本研究実施施設は総合周産期母子医療センターであり、ハイリスク妊娠、異常妊娠出産を経験している妊産婦である。また、社会的ハイリスクも多く、低年齢での喫煙開始がほとんどであり、家族や夫、友人など周囲に多くの喫煙者が存在していることがわかった。 退院後の周囲からの喫煙の機会や、出産後はいずれ吸いたいと思う症例も少なくないことから、禁煙支援プログラムでは、出産後・授乳期終了後の禁煙継続支援プログラムを現場の助産師との共同で検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、酸化脂質分析であるHDL機能の一つであるコレステロール引き抜き能の測定の検討も行うため、測定関連で支出がある。 現在実施している「妊産婦が喫煙継続・禁煙行動を決定する心理過程と決定に影響する因子に関する探索研究」に関するテータ処理や分析に関する人件費、消耗品などの使用、禁煙継続支援プログラム開発のための物品費、印刷費、情報収集費、人件費等に使用する。
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