2017 Fiscal Year Research-status Report
思春期青年期の発達障害の子供と家族の看護支援・成人移行期支援プログラムの開発
Project/Area Number |
16K12131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩飽 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50250808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (30299789)
富澤 弥生 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (60333910)
鈴木 祐子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40431598)
井上 由紀子 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20596100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 思春期青年期 / 成人移行期支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.背景とニーズの調査:発達障害の子供を持つ親の障害受容過程と受容過程に関連する因子を明らかにし,どのようなサポートが必要かを検討するために,東北地方にある発達障害の親の会2団体の会員72名を対象とした自記式質問紙調査を行った。障害受容過程15項目の経験の程度と経験した時期,診断内容,診断時期,相談相手,特性不安を調査し,これらの関連について19名の有効回答を統計学的に分析した。障害受容と特性不安には特異的な関連はなかった。発達に不安を感じてから専門機関を受診するまでの平均期間は3.7年であり,長いほど現実を受け入れられない気持ちが強かった。相談相手に「夫婦」「同じような子供を持つ親」がいる方が,障害を受容できていた。ADHDよりもASDの子供の親の方が「ショック」を受けていたことがわかった。受容過程の最終段階である「新しいアイデンティティ」を確立するまでには,10年もの年月がかかっていた。 これらの結果から親の支援策として,1.特性不安と障害受容には関連がなく,それぞれを別の視点で考える必要がある。2.夫婦間で相互に相談し合える関係を築くということは,障害を受容していく過程で非常に重要である。3.同じような子供を持つ親とかかわることは,我が子の障害を受容していく過程で支えになっていた。そのため,診断後に親の会などのコミュニティに繋げる支援が重要である。4.自分の子供が障害を持っているということを受容していくのには,非常に長い年月がかかりゆっくりと受容していく過程での支援が必要であることが把握できた。 2.情報収集:支援プログラム作成のための情報として,Neurodiversity,トランジション理論,発達障害リハビリテーション,地域若者サポートステーションに関する情報収集を行い,精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を受講し就労支援の取り組みについて情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発達障害を持つ思春期青年期の子供とその家族の支援プログラムの軸となる理論や,子供と家族の支援を示唆する調査結果,社会資源に関する情報収集がおおむね得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究メンバー全員で,これまでに収集した,子供と家族の支援を具体化するための調査結果,主に就労に関する社会資源や地域での支援体制,性のカウンセリング,社会の障害受容を後押しする情報提供,子供自身が自分の特徴を周囲に伝える方法論などの具体策を,トランジション理論に枠組みを用いてプログラム化する。 研究成果は順次webで公開する。
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Causes of Carryover |
(理由) web site構築等の費用を最終年度に行うことにしたため,これに関連する支出がなかったため。 (使用計画) 最終年度は研究成果をweb siteを構築して発信するため,予算を計画通り遂行できる見込である。
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Research Products
(3 results)