2017 Fiscal Year Research-status Report
小児・思春期における糖尿病セルフケアの看護指針・評価指標の作成
Project/Area Number |
16K12136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 伸枝 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (20282460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 友 秀明大学, 看護学部, 講師 (20400814)
仲井 あや 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30612197)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学 / 小児 / セルフケア / 1型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①小児・思春期の糖尿病セルフケアに関する看護指針の作成、②1型糖尿病をもつ年少児の親を対象とした、糖尿病セルフケア質問紙の作成と信頼性・妥当性の検証、③インスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの原因と看護援助を明らかにすることである。平成29年度は、以下の活動を行った。 ①前年度に開発し信頼性・妥当性を検証した1型糖尿病をもつ10代の小児・思春期糖尿病セルフケア質問紙について、パス解析を行い小児・思春期の糖尿病セルフケアの概念モデルを検証した。この結果について、学会発表を行うと共に英論文を作成・投稿し、現在査読中である。 ②1型糖尿病をもつ年少児の親を対象とした糖尿病セルフケアへの関わり尺度を作成し、1歳から小学校2年生の1型糖尿病の子どもをもつ保護者34名を対象に調査を行い、信頼性・妥当性を検証した。最終的に24項目、7因子から成る尺度を作成し、この結果を、第24回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会で発表予定。 ③インスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの原因について、アセスメントシートを作成した。2歳から21歳の小児/青年11名に対し、アセスメントシートを用いた皮膚の観察と面接調査、皮膚バリア機能(エコーによる角質の厚さ、角質水分量の測定)、炎症評価(サーモグラフィによる測定)を行った。その結果、子どもの発達段階による皮膚ケア方法の相違があること、秋から冬にかけての皮膚トラブルは皮膚の乾燥(角質水分量)の影響が大きいことが明らかになった。また、面接調査から夏には炎症を伴う皮膚障害が多いことが明らかとなり、さらなる調査の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看護指針の作成にやや時間を要しているが、2つの質問紙作成と、看護指針の基となる概念モデルの検証に時間をかけたためである。質問紙の作成とその後の検証により、看護指針の基となる概念モデルが適切であることが確認されたため、本プログラム期間中の看護指針作成は可能と考える。 インスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの調査は当初予定より早く進行しており、また、季節による皮膚トラブルの違いなど新たな知見が得られ、追加調査を行うこととした。より精度の高い結果が得られる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
①小児・思春期の糖尿病セルフケアに関する看護指針の作成:投稿中の英論文について掲載に向けて修正を行う。 ②1型糖尿病をもつ年少児の親を対象とした、糖尿病セルフケア質問紙の作成と信頼性・妥当性の検証:本質問紙開発の結果を公表する。また、現在作成中の小児・思春期の糖尿病セルフケアに関する看護指針を完成させ、デルファイ法を用いて洗練すると共に、①と②で作成したセルフケア質問紙を、看護援助の評価として使用できるようにする。 ③インスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの原因と看護援助の明確化:インスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの原因について、アセスメントシートの洗練と、異なる季節(梅雨から夏)における調査を追加し、発達段階や季節を加味した看護援助を明らかにすると共に、成果を公表していく。
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Causes of Carryover |
分担研究者は、福岡で開催された第22回日本糖尿病教育・看護学会に参加予定であったが、大型台風の接近により交通機関の運休があり参加を断念した。これにより残金が生じた。翌年度は、成果発表が多く計画されているため、残金を使用できる予定である。
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