2017 Fiscal Year Research-status Report
成人移行期の小児がん経験者の健康管理と生活調整の自立のプロセスを支える看護援助
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16K12139
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮城島 恭子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60345832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児がん経験者 / 自立 / 成人移行期 / 健康管理 / 社会生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成人移行期の小児がん経験者の自立のプロセスと影響要因を、健康管理と社会生活の両立に焦点を当てて、小児がん経験者と親の視点から明らかにし、それを踏まえて小児がん経験者が自立して健康管理と社会生活を両立させていくことを支えるための看護実践モデルを構築することである。平成29年度は、平成28年度に引き続き、倫理的配慮のもと以下の調査と分析をおこなった。 1.成人移行期の小児がん経験者に対する面接調査と分析(第1研究) 16~25歳の小児がん経験者7名(平成28年度からの合計22名)を対象に、自立についての認識、受診や健康管理および社会生活に関する行動・気持ち・理解、親や医療者など周囲の人との関わりなどについて面接調査をおこなった。データ分析は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いておこない、結果全体の概要をあらわす結果図・ストーリーラインを作成した。 2.成人移行期の小児がん経験者の子どもをもつ親に対する面接調査と分析(第2研究) 小児がん経験のある16~25歳の子どもをもつ親7名(平成28年度からの合計19名)を対象に、子どもの自立についての親の認識と関わり、受診や健康管理に関する子どもの自立の様子と親の関わり、子どもの病気についての親の認識と親からみた子どもの認識、社会生活に関する親の認識と関わり、周囲の人の子どもへの関わりなどについて面接調査をおこなった。第1研究と同様に、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析をおこない、結果図・ストーリーラインを作成中である。 今後は第1研究と第2研究の結果について、学会発表・論文作成をおこなうとともに、第1研究と第2研究の成果の統合を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児がん経験者に対する面接調査(第1研究)と、小児がん経験者の親に対する面接調査(第2研究)のデータ収集を概ね予定通りに終了できた。データ収集期間は予定よりやや長期間を要し、対象者の疾患などの背景に偏りがあるとはいえ、対象者数は予定通りに確保できた。分析期間も予定より長期間を要したものの、第1研究と第2研究それぞれについて、全体概要がみえてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、当初の計画通り、下記を実施する。 1.平成30年度:小児がん経験者に対する面接調査(第1研究)と、小児がん経験者の親に対する面接調査(第2研究)の分析の精度を高め、最終結果を導く。 2.平成30年度・31年度:小児がん経験者に対する面接調査(第1研究)の結果を学会発表し、論文を作成する。また、小児がん経験者の親に対する調査(第2研究)についても、論文を作成する。さらに、第1研究と第2研究の結果の比較・統合をおこない、看護援助モデルを作成する。
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Causes of Carryover |
データ収集が当該年度末ぎりぎりまでかかったため、データ整理に関する費用の一部を次年度に使用することとなった。
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