2017 Fiscal Year Research-status Report
モバイルアプリ【e-ママ睡眠ダイアリー】開発による高齢褥婦の睡眠に関する縦断研究
Project/Area Number |
16K12144
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
藤岡 奈美 活水女子大学, 看護学部, 教授 (00382375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (20251069)
服部 佳代子 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (00315194)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢出産 / 初産婦 / 育児 / 睡眠 / ストレス / 産後1か月間 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28・29年度に開発・作成した産褥期用睡眠日誌【e-ママ睡眠ダイアリー】を用いて、産褥早期からの育児行動によって生じる分割した睡眠の実態を明らかにするための調査を実施した。 具体的には、研究協力施設2施設において出産した高齢(35歳以上)初産婦を対象とし、産褥1日目に各病室を訪室して研究同意を得、入院中の産褥5日目に【e-ママ睡眠ダイアリー】に登録を行い、産後1か月間の睡眠の実態とその経時的変化を調査している。 実践で使用していく中で、プログラムの改善の必要性も認め、本年度はプログラム自体の改良も実施した。具体的には、プログラムへのログイン時の不具合の解消、コミュニケーションツールの活用方法等であった。 現在、延べ53名の高齢褥婦の協力を得て調査を進めている。目標対象数は100人であるため、次年度も継続して調査予定である。これまでの調査で明らかになっていることは、対象者の総睡眠時間平均は5時間半から6時間であり、産褥5日目は平均4.9±1.5時間で最も少ない者は1時間睡眠であり、産後1週間では5.2±1.4時間で最も少ない者は2時間、産後2週間では5.7±1.9時間で最も少ない者は3時間、産後3週間では5.8±1.9時間で最も少ない者は2時間、産後1か月では5.3±1.3時間で最も少ない者は3時間であった。平均睡眠時間は次第に増えたが少ない事が判明し、産褥早期に少ない睡眠時間の者は、1か月後も少ない事も窺えた。また、睡眠を阻害する要因も、リアルタイムでコミュニケーションツールによる質的調査および自由記載からも明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年後半から平成31年前半までを調査期間とし、100人のデータを収集予定としているが、現時点のデータ収集が終了した対象者は53人と約半数であるため、進捗状況としては、やや遅れていると判断する。 その要因には、該当する対象者が想定より少なかった事、および、e-ママ睡眠ダイアリーの不具合によって数名の収集ができなかった事が挙げられる。しかしながら、次年度はプログラムも改良してるため、対象数は確保できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、データ収集がメインとなる年度である。 そのためプログラムの不具合による対象者への影響を無しにして、有効的に収集するように努める。 更に、次年度は調査に加えて、集計・分析も実施していくため、対象者のデータ整理、測定した睡眠覚醒リズム分析も計画的に行おうと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究成果がやや遅れているため、データ分析までに至っていないことにあると考えている。今年度はさらなるデータを収集するために、使用機器を増やし、調査に当たりたいと考える。 また、本年度に作成したプログラムを実際に使用した際に、携帯電話の機種によっては、参加ができない事例が発生したため、症例数が増えなかった事も原因にある。しかしながら、本年度、その点を改良し、これまでプログラムへの参加方法が1つであった事から3つに増加したため、本年度のように研究に参加同意を得た対象者が、参加できないという状況は避けられると考えている。
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