2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the brain function during the listening of picture-book storytelling
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16K12145
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 健治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20274201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 弘道 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10398018)
原田 雅史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20228654)
橋本 浩子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80403682)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 絵本の読み聞かせ / NIRS / 前頭前野 / デフォルトモードネットワーク / Broca野 / 音読 / 黙読 / リラックス |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度の研究の目的および方法、結果、考察を以下に示す。 【目的】絵本の読み聞かせによって、心の安定や心地よさが生じる可能性があるということに着目し、脳機能イメージングの手法(NIRS)を用い、絵本の読み聞かせ聴取時と、音読時、黙読時の脳の状態を計測し、比較検討する。 【方法】対象は、小児(7‐12歳)、大学生・大学院生(20-36歳)30名。島津製作所NIRStation近赤外光イメージング装置OMM-3000を使用し、関心領域をBroca野を含む前頭前野を中心に、左右各17chにて計測する。 【結果】小児にまで対象を広げ計測を行ったところ、絵本の読み聞かせ聴取時では、全例で前頭前野の広範囲にてoxy-Hb濃度が減少した。音読時には、多くの例で、Broca野にてoxy-Hb濃度の増加が認められたが、一部の例では、Broca野でのoxy-Hb濃度の増加がみられず、前頭前野の正中部にてoxy-Hb濃度の減少がみられた。絵本の読み聞かせ聴取時のoxy-Hb濃度の減少量と質問紙調査でのリラックスの程度との間に相関がみられた。 【考察】絵本の読み聞かせ聴取時に、前頭前野にてoxy-Hb濃度が減少したことは、快感情が起こり、リラックスした状態が誘発されたことによるものと推察された。また、前頭前野内側部はDMN(デフォルトモードネットワーク)の構成部位であることより、内省が抑制され、絵本の読み聞かせ聴取に没入することができていると考えられた。音読時・黙読時にみられたBroca野におけるoxy-Hb濃度変化量の差は、読字能力の個人差を反映している可能性があると考えられた。読字が苦手な学生は、音読時・黙読時においては、努力性の読みを反映してBroca野がより強く賦活されたと考えられた。本研究により、絵本の読み聞かせ聴取時には、心の安定や心地よさを感じ、メンタルヘルスに有効であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)