2018 Fiscal Year Research-status Report
思春期慢性疾患患者の復学支援アセスメントツールの開発
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16K12148
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本多 直子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50746617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00209933)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 思春期 / 慢性疾患 / 小児がん / 復学支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に発表した「思春期の慢性疾患患者の復学支援に関する質的文献の検討」という論文の結果から、思春期にある患者と家族の復学を支援するためには、患者にとっての闘病体験の意味を患者と家族、また友人や教員が理解すること、患者自身の力で乗り越えていけるような側面からの支援が重要であることが示唆された。この結果から平成30年度は研究計画を再検討した。まず、1)開発するツールを患者の退院後の復学の状況と患者の適応力を測定可能な尺度とした。2)対象は、思春期の慢性疾患の患者としていたが、疾患の違いによる治療や症状、予後などの患者への影響を考慮して、小児がんと疾患を限定し、尺度の妥当性を確保できるように変更した。先行文献や患者と接するなかで、思春期前期の小学高学年生と高校生では、認識の発達に大きな差が存在するために、3)尺度の対象とする年齢は当初の計画においては、小学5年生から高校生としていたが、小学5年生~中学生と変更した。 また、共同研究者として参加した「腎移植の思春期患者とその家族への退院指導の取り組み」という事例研究を12歳患者とその家族を対象に実施した。この事例では親が多忙であり、患者本人が自己管理を獲得することが重要であった。入院中の患者への介入を振り返り、内服管理を本人に任せたことから自己管理に対する意識が強化されたことを確認した。この研究からも患者の自立しようとする力を側面から支援することの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
思春期の慢性疾患患者の復学支援のための尺度開発として計画していく中で、既存のQOL尺度やレジリエンス尺度などと比較しての差異を明確にする必要があり、それを検討することに時間を要したこと、昨年度からの課題として検討していた研究対象者の数の確保の検討に時間を要したため、経過に遅れが生じたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
試作版尺度を完成させ、倫理審査を受審後、質問紙調査を開始する予定である。質問紙調査終了後、統計解析を行い、試作版尺度の妥当性、信頼性を検討して思春期慢性疾患患者のアセスメントツールの一段階としての思春期小児がん患者を対象とした復学後の患者の状況を把握できる尺度を完成させる予定である。成果は、順次英文・邦文学術誌への投稿と学会発表を通して公表する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 2018度年度の研究が予定通り推進できなかったため次年度使用額が発生した。 (今年度使用計画) 2019年度は、復学支援アセスメントツールの調査と結果の解析、論文のまとめ等行う予定である。そのための物品費、打ち合わせ旅費などとして適切に使用する。
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