2016 Fiscal Year Research-status Report
小中学生を対象とした遺伝教育プログラムの開発と評価に関する研究
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16K12149
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90315268)
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00209933)
本多 直子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50746617)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝教育 / こども / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2005年より継続して実施してきた、子ども対象の遺伝公開講座について、小学生用遺伝教育プログラムの紹介と実践効果について、The 13th Internationnal Congress of Human Genetics のシンポジストとして発表を行った。単に科学として遺伝学を教えるのではなく、遺伝学の基本である唯一性や多様性を学ぶことでヒトの尊厳を伝える教育の重要性について報告した。 小中学校における教育について、教科書の分析を行っている。理科では、遺伝内容をどのように伝えているか、人の多様性、共生、障害・病気、認め合うといった人の尊厳につながるような内容について、生活、道徳、家庭科、保健の教科書の分析を行っている。理科については指導要領に沿った内容は共通していて、出版社によってゲノム医療やゲノム情報の取り扱いなど関連する話題をコラムとして取り上げている部分が異なっている。注目すべきは中学道徳で、科学技術の発達と生命倫理の項目で、「遺伝子検査」や「出生前診断」を取り上げている。今後。実際にこの教材を使用してどのような学習が進められているのかについて、調査を検討したい。 平成28年度は新たに、大学生に対する出生前診断に関する遺伝教育プログラムを開発、試行を行った。無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)受検プロセスに沿って、意思決定や妊娠の疑似体験を通して、検査についての考えを深め、障害をもつ子を産むことについて参加者がディスカッションを行う機会とした。おおむね学習目標に沿った学びができるプログラムであったが、選択場面における葛藤や参加者の背景に配慮が必要であることが示唆された。内容を精選し、中学生にも理解できる学習に絞り込んでいきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教科書分析に時間を要しているが、調査の方向性が検討できるところまで来ている。遺伝テキストの翻訳を行い、プレテストとして大学生用のプログラムを試作、実践、評価を行った。このプログラムの内容を精選し、中学生版のプログラムを検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
教科書の分析について、まとめ学会発表を行う。調査に先立ち、小学校、中学校における道徳教育について、本学の教育学部に協力を依頼し、情報収集を行う。 合わせて、継続して行っている小学生用遺伝教育プログラムを用いた、子ども対象の公開講座を開催する。
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Causes of Carryover |
調査が開始できなかったため、郵送費を使用しなかった。プログラム実践について録画を予定していたが、録画方法が難しい(顔が見えないような配慮)ため、一旦中止したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小中学校における道徳教育に絞り、調査を行う予定である。
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