2018 Fiscal Year Research-status Report
超重症児の家族への在宅レスパイトを柱とした戦略的レスパイトサービスモデルの開発
Project/Area Number |
16K12150
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
生田 まちよ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (20433013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 公代 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 名誉教授 (20145345)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 超重症児 / 医療的ケア児 / レスパイトサービス / 訪問看護 / 主介護者 / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療的ケアを行なう重症児の家族に対して、在宅レスパイトを柱として多種のレスパイトを効果的に組み合わることによる戦略的レスパイトサービスモデルを開発することである。今年度は、対象とする集団のQOL、あるいはニーズ・課題・問題要因を検討するためのレスパイトの現状調査を実施して結果の分析を行った。調査対象者は、(1)超・準超重症児の主介護者、(2)訪問看護ステーションの管理者、(3)日帰りやショートステイで受入れ可能性のある施設の管理者であった。 主介護者に対して、155部配布し44名の回答を得た。レスパイトサービスは、77.3%が必要と思っていたが、43.2%は利用しておらず、27.3%は利用したいがしていなかった。その理由は、「レスパイトサービスの所在や利用の仕方がわからない」「預けるのに不安」などであった。レスパイトサービスの問題や課題と思う項目の平均は、「医療的ケアや重度の障がい児でも預かってくれる」「施設に信頼できるスタッフがいる」「利用するには制度の充実が必要」が高かった。母親のレスパイトサービス利用を促進するために、そのサービスの認知を高めることや、安心して子どもを第三者に託せるような環境やシステムを考慮する必要がある。 訪問看護事業所に対して625の訪問看護事業所を対象に郵送式質問紙調査を行い、163事業所から回答を得た。小児を訪問対象にしている事業所においては、長時間訪問看護によるレスパイトサービスの問題点の中で、「柔軟なケア提供体制」「児の体調変化に対応できる体制」「自治体からの情報が少ない」「超重症児ケアの研修システムの不足」の平均値が高く、これらの解決がレスパイトの提供につながると考える。 超重症児を対象にしているショートステイ施設等は、全国的に少ない状況にある。質問紙調査を行ったが、対象数が少なかったため、質問紙調査を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究開始が10月からであり、自然災害にあった対象者が多かったため、全体的に計画を繰り延べ修正している。本年度は、調査依頼や調査用紙回収等に時間を要した。現在、回収した結果を分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、補足調査として、超重症児を受け入れているショートステイ等の管理者に面接調査を行っていく。最終的に、それぞれの調査結果をもとに、ニーズ・課題・問題要因を分析して、多種のレスパイトを効果的に組み合わることによる戦略的レスパイトサービスモデルを考えていく予定である。 また、これまでの調査結果を国際学会や国内学会で発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
調査の進捗状況がやや遅れたため次年度使用額が生じた。 次年度、ショートステイ事業所管理者への追加調査及び研究成果発表のための国際学会や国内学会への参加費、最終プログラム作成にあたっての調査のための費用や旅費に使用する予定である。
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