2017 Fiscal Year Research-status Report
小児慢性疾患患者の「生活力」支援プログラムの作成および実施と評価
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16K12159
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
汲田 明美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (80716738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70233377)
山田 浩雅 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60285236)
北川 好郎 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00440719) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 成人移行期 / 思春期 / 炎症性腸疾患 / 自己管理 / ソーシャルスキル / 家族支援 / 生活力 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は、炎症性腸疾患(IBD)の現状・実態について、再度把握し、今後の具体的な研究方法の実施について再考する1年となった。炎症性腸疾患については、成人が参加する患者会などで、学習会や患者同士の交流、意見交換をしたり、ホームページでは、患者の語りが掲載されている会もあり、成人の炎症性腸疾患患者の活動は、少しずつ拡大、共有されている現状がわかった。都市Oの子どものIBDの会と、都市NのIBD(成人が対象)の両方の患者会への参加を継続し、会に出てくる患者さんの現状や実態を把握した。小児期発症の炎症性腸疾患患者では、高校生以上だと、患者会に出てくる方もいるが、多くは家族が患者会で情報収集をしていることがわかった。小児科から成人科に移行する移行期支援の情報収集も継続した。移行期支援においては、子どもの支援だけでなく、家族を支援することに関して、家族支援CNSを活用していこうとする施設など、小児慢性疾患の家族への援助に関する医療者の関わりも増えている現状がわかった。 私が研究の対象とする、思春期(=成人移行期)への炎症性腸疾患の患者は、思春期に、病気を持ちつつ、学校に通いつつ、将来を模索する時期である。患者会など外の会には出る人、出ない人、考え方は様々あり、まず、自分で自分のからだに関心を持ち、自分の病気について知り、周りの助けも借りながら成長していく時期で、研究課題の自己管理を促すツール、人間関係をよりよくするツール等を作成し、「生活力」育成を提供する実施の必要性を大きく感じた。母親というよりも、家族に視点をもって家族支援も行っていくことの重要性も再認識した。30年度は思春期の患者で、その時は無関心でも、気になった時にひとりでも活用できる前述のツールを作成し、自立心を育む「生活力」育成の計画を実施する。家族支援へのツールも検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究結果から作成した質問紙調査の実施ができていないが、思春期の患者を対象に行うという点において、実施の具体的方法について、現状を把握し、検討できた。現状に合わせた実施が重要である。現状を検討している時期が長くなり、質問紙調査の実施が予定より遅れている。質問紙調査では、医療関係者、炎症性腸疾患の成人患者や、教諭、成人患者の家族を対象にして、思春期の子どもの生活力育成に役立つかを質問する予定である。質問紙調査により内容の妥当性を把握してから、実際のツールの作成をするので、ツールも作成が予定より遅れている。30年度は、①「生活力」の育成等の意見を聞く質問紙調査を、早急に実施し、②ツールを作成し、患者の意見、評価、家族の意見、評価を得る。
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Strategy for Future Research Activity |
ツール内容の質問紙調査の実施。 質問紙調査の結果を踏まえたツールやシナリオの作成し、実際のツールやシナリオの「表現」について、「生活力」育成について、専門家や成人患者に意見を求める。 表現を確認した後、ツールを作成し、シナリオと共に、プログラム内容を考えて、実施し、家族にも、子どもがツールやシナリオを使用する内容への意見の調査を行う。 ツールを用いたプログラムを作成、実施し、患児、成人患者、家族に炎症性腸疾患患者の生活力を高める家族支援への示唆を得る。
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Causes of Carryover |
質問紙調査が行えていないので、次年度に変更し、次年度に調査を行う。理由は、思春期の患者を対象に行うという点において、実施の具体的方法について、29年度は、現状を把握し、検討できた。現状に合わせた実施が重要である。現状を検討している時期が長くなり、質問紙調査の実施が予定より遅れている。質問紙調査では、医療関係者、炎症性腸疾患の成人患者や、教諭、成人患者の家族を対象にして、思春期患者の生活力育成に役立つかを質問する予定である。質問紙調査で内容の妥当性を把握してから、実際のツールの作成をするので、ツールも作成が予定より遅れている。 ツールの制作も次年度に行うので、次年度に変更した。
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