2019 Fiscal Year Research-status Report
小児慢性疾患患者の「生活力」支援プログラムの作成および実施と評価
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16K12159
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
汲田 明美 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (80716738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70233377)
山田 浩雅 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60285236)
北川 好郎 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00440719) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児慢性疾患患者 / 炎症性腸疾患 / 自立 / 生活力 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児慢性疾患患者の「生活力」支援プログラム作成の一部の研究として、小児期発症の炎症性腸疾患患者の「生活力」の質的調査結果や、研究期間に参加した患者会(大阪や中部)での患者さんの様子、反応や、学童・思春期の子どもの成長を育む書籍などを含めた先行研究を参考に、学童・思春期の子どもの生活力を育むカードを作成し、このカードの文面に関して、質問紙調査を行った。質問紙調査の対象は、小児専門看護師、慢性疾患看護専門看護師、小児IBD治療に携わる医師とした。現在は、集計中である。集計後に、文言を決定し、再度専門家で検討していく。質問紙調査の自由記述の概要としては、学童・思春期を同時の文言ではなく、学童期と思春期に分けて、つまり発達に分けて書いたほうが伝わりやすい助言や、実施に関しては、まずは、状態が落ち着いている患者さんから実施したほうが良いなどの助言が得られた。つまり、文面への評価だけでなく、適切な方法での今後の研究の実施の方向性への助言も同時に得られた。 「生活力」を育むカードの作成については、デザインの会社と相談をして、内容が決まれば作成できるようになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学の人員不足があり、教育、実習、演習が滞らないように優先してきたため、研究を遂行する時間が足らなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の結果から生活力を育むカードの文言を再度専門家で検討した後の計画を述べる。昨年度の質問紙調査の際に、連絡が取れたクリニックなどもがあり、臨床で、学童・思春期の患者さんと接している医療者、患者会に出てきている小児期発症である成人炎症性腸疾患患者、患者会の事務局員の方に、生活力を育むカード作成後の再検討を依頼する。このようにして内容の充実を図る計画を行ったうえで、状態がよい学童・思春期の患者さんの意見を聴取する予定で、計画を進めている。カードであり、すぐに効果は期待できないと考えられるツール(カード)ではあるが、使用した患者さんが、元気づけられて、自分で、医療者に聞きたいことを聞いたり、自分の得意な部分を大切にしたりできることを支援する、自立を育むための一つのきっかけとして、存在しても良いカードかどうかを確認していく予定である。 また、ツール(カード)作成の過程に対して、質問紙調査の自由記述として得られた専門看護師や医師の意見についてもまとめて、思春期患者への支援を考えている看護師に報告する必要もあると考えている。 論文による公表に関しては、小児期発症の炎症性疾患患者の「生活力」についての質的調査結果について、論文を作成し、2020年4月30日に看護研究学会に投稿した。現在は、査読中である。 また、小児期発症の炎症性腸疾患患者の「生活力」についての質的調査のうち、「生活力」自体の検討についても、現在、論文にするための準備を行っている。こちらは、大学の紀要に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に、領域内の人員不足があり、大学内の仕事を中心に行っていたために、研究の遂行が遅滞した。そのため、昨年度に必要であった費用が使用できていない。科学研究費助成事業補助事業期間延長を申請して、承認を得た。次年度に、論文費用とカード作成の費用と、修正する場合のカード作成の費用、患者会での紹介に関する費用、研究の総括作成費用として研究費を使用する計画がある。
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