2016 Fiscal Year Research-status Report
助産師のための周産期の家族役割獲得を促す能力を向上させる研修プログラム開発
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16K12167
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
礒山 あけみ 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (00586183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣川 さえ子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (90538927)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 家族支援 / 助産師 / きょうだい / 祖父母 / 父親 / 家族役割獲得 / 周産期 / 専門職教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は助産師のための周産期の家族役割獲得を促す能力を向上させる研修プログラムを開発し、参加前後の家族役割獲得に関する知識・態度・認識や普及の程度を比較・調査する介入研究である。本研究計画では1)助産師のための周産期の家族役割獲得を促す能力を向上させる研修プログラムの開発、2)開発した教育プログラムを用いた介入実施、3)助産師による家族役割獲得教育の実施と普及の評価を行う。意義は周産期にあるすべての家族が新たな家族を迎え入れる重要な時期に、家族の身近に存在する助産師から一定水準以上の役割獲得のための支援を受けることができる。助産師にとっては、社会要請に沿った助産実践能力の習熟のための教育プログラムとなる。 今年度は、申請者がこれまでに妊娠期における母親とその家族の役割獲得を促す準備教育プログラムを開発し、評価を行った研究成果をもとに、助産師のための周産期の家族役割獲得を促すための研修プログラムの開発に着手した。まず研究成果から、助産師向け家族役割獲得を促すためのプログラム目標の明確化、内容・方法を検討した。結果、目標は1.父親のニーズと支援方法が理解できる。2.きょうだいとその家族のニーズと支援方法が理解できる。3.祖父母のニーズと支援方法が理解できる。4.家族への支援プログラムがイメージできる。とした。内容は「父親のニーズと支援」「きょうだいとその家族のニーズと支援」「祖父母のニーズと支援」とした。方法は、30分程度のe-learning受講および3時間の集合研修とした。e-learningの評価として、学習目標の到達度を確認するために選択式と記述式のテストを検討した。 また、助産師の家族支援の現状と助産師の周産期の家族役割獲得を促す支援を推進するための研修ニーズ調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度は助産師のための周産期の家族役割獲得を促す能力を向上させる研修プログラムの開発であり、1)教育方法関連・家族役割関連の文献検討、2)プログラム開発とアウトカム測定用具の検討、3)e-learning教材開発、4)臨床の実践調査及び教育導入のニーズ調査と協力者の募集、を計画した。 1)関連文献の検討から、助産師に必要な周産期の家族役割獲得を促すために必要な教育内容を抽出した。関連文献は、勤務助産師が行う父親役割獲得を促す支援と関連要因(礒山,2015)、勤務助産師が行う祖父母およびきょうだいの役割獲得を促す支援と関連要因(礒山、2016)、第2子を迎え入れる母親に対する準備教育プログラムの開発と評価(礒山、2016)、新たに孫を迎える祖父母の支援ニーズに関する文献レビュー(礒山、2017)、新たに孫を迎える祖父母に対する役割獲得に向けた準備教育プログラムの有効性の検討(礒山他、2016)などを用いて検討した。 2)プログラムの開発は関連文献を中心として教育内容を検討し、父親のニーズと支援、きょうだいと家族のニーズと支援、祖父母のニーズと支援の3つの構成とした。 3)e-learning教材は30分程度とし、撮影とテストの開発を行った。e-learnin教材の妥当性を高めるために、6名の助産師から視聴後の感想・意見をもらい、結果をもとに臨床助産師の実践に利用可能な教材の検討を重ねる。 4)臨床の実践調査および教育導入のニーズ調査と協力者の募集は、関東・東北・北陸・北海道・信州の59か所の産婦人科を標榜している病院診療所に勤務する助産師に対し、「助産の周産期の家族役割獲得を促す支援を推進するための研修ニーズ調査」として、家族支援の現状、実施状況、認識、方法、希望する研修内容と方法、家族支援の必要性に関する質問紙調査の配布を行った。現在回収中である。 ほぼ順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年4月: e-learnin教材の妥当性を高めるために、6名の助産師から視聴後の感想・意見をもらい、結果をもとに臨床助産師の実践に利用可能な教材の検討を重ねる。 平成29年4月~:助産師の家族支援の現状と助産師の周産期の家族役割獲得を促す支援を推進するための研修ニーズ調査分析を行う。 平成29年5月にICN(バルセロナ)で「日本の助産師の妊娠出産を体験する家族への支援に対する認識」に関する学会発表を行う。 平成29年中:助産師の周産期の家族役割獲得を促すためのe-learning教材開発について分析し、結果について学会発表を行う。助産師の周産期の家族役割獲得を促す支援を推進するための研修ニーズ調査についてデータ分析し、結果について学会発表を行う。 平成29年5月~9月に、開発したe-learningの配信および集合研修の実施を行う。
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Causes of Carryover |
2016年度中に、e-learning教材の撮影がスタートしているが、2017年度においてさらに再検討段階にある。また、e-learningは、助産師向けe-learningコース制作・運営費一式として、コース管理、配信、バックアップ等の費用も含む。2017年度は、e-learning配信の予定のため、e-learning教材の開発費用についての支払いが2017年度になる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
e-learningのコース制作、運営費一式として、使用する。
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