2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児気質測定法の信頼性妥当性および周産期の母親の心理社会的要因と児の気質の関連
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16K12170
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
大橋 優紀子 文京学院大学, 保健医療学部, 准教授 (10706732)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボンディング障害 / 産後うつ / 子どもの気質 / 子育て支援 / 周産期メンタルヘルス / 評価バイアス |
Outline of Annual Research Achievements |
課題研究の研究1~3のうち、研究3(目的4)および5)に対する研究)を開始した。研究3から開始したのは、縦断調査に必要な調査時期・期間を考慮したためである。 平成28年度実施内容:研究3に対する具体的研究計画の立案、調査票の作成、必要な資材の準備を行った。研究3実施に関し、首都圏6か所の大規模産科医療機関の内諾を得、関係各機関の倫理審査委員会に申請をした。承認が得られた一部医療機関において、調査を開始した。 意義:本研究は、「妊娠中の女性の心理社会的要因と生後の児の気質との関連」および「児の早期気質が親のその後の心理社会的要因に及ぼす影響」 について、児の気質評価者の心理状態を統制した上での真の関連と影響を探索することを目的とするものである。子どもの気質評価において評価者の心理状態によるバイアスを知ることは、臨床において大変重要なことである。また本研究は妊娠中からの縦断調査であり、子どもの気質と親の心理状態の「因果関係とメカニズム」を明らかにすることができる。本研究から得られる知見は、子育て支援、虐待予防の実践的対策に寄与すると予測される。 重要性:調査変数中のボンディング(障害)は、新生児虐待の一要因であることが明らかになっている(大橋, 北村, 坂梨, & 田中, 2014)。したがって、近年の子どもと親の早期関係をめぐる問題の一機序を明らかにできる可能性がある。生後早期からの親子の関係性への支援が重要視されているが、乳児期の子どもの気質とボンディングとの関連は、我が国では未だ調査されたことがない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実務的手順を考慮し当初の予定を変更して研究3から開始した結果、順調に研究を進展させることができた。順次データの回収もできている。課題研究の達成に関して、スケジュール的な問題は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の実施順番を以下のように変更する。 平成29年度は、平成28年度に継続して研究3を進展させる。また研究1を開始する。 平成30年度は研究2を開始する。研究1,3で得られたデータの解析を進める。 平成31年度は交付申請書提出時の予定通りに実施する。
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Causes of Carryover |
実務的によりよい研究実施順序に変更したため予算額に対して使用額に残金が生じたが、研究伸展はむしろ順調である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究1に関する調査票購入費、Web調査委託費、 研究3のデータ入力費、事務アルバイト費として使用予定である。
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