2017 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもつ子どものライフスキルを育む支援プログラムの構築
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16K12177
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
青木 雅子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (00453415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 茂樹 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (10299935)
日沼 千尋 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (40248927)
稲井 慶 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80318063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 子ども / ライフスキル / 説明 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度計画は、前年度の文献検討とフィールドワークをもとに開示の概念と現状を分析し、データ収集に向けてインタビューの内容と手続きを検討した。先天性心疾患をもつ子どもについては、他者への説明に関する現状と必要な支援に焦点化してデータ収集を進めることとした。また、子どものライフスキルを育む視点から、他者に説明できる力を持つための環境とサポートに着目し、保護者、医療者、教育関係者による、子どもが他者に説明している現状と課題および提案を分析しプログラム構築の要素として反映することとした。所属機関と関連する協力施設の倫理審査を受け承認を得てデータ収集を開始した。現在、研究参加者の依頼とインタビューによるデータ収集を進めている。保護者のインタビューからわかったことは、保護者は子どもが他者に説明することに関して、説明できるスキルを持つことは必要であるととらえていた。また、保護者は、子どもが他者に説明できないことによる周囲との人間関係構築への影響・自分の身体を守れない・将来の自立への影響などが生じる可能性があると考えていた。他者に説明できるためには、幼少期から準備していくことが重要であると認識しており、そのために、保護者は自分の身体の状態について子どもなりに理解できる内容で具体的に随時説明していた。その内容は、子どもの発達に応じて身体的に実感でき可視化できる現状からはじまり、将来を予測した影響を含む内容へと変化していた。また、話すことができる環境づくりも重視しており、家族間で常にオープンに話しあう、学校教諭、特に担任との調整に働きかけるなどの工夫をしていた。今後は子どものデータ収集と分析を進め、本邦の子どもの実態に即した課題を見出しプログラム構築の骨子に反映する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現状把握と論点・課題の整理は進めてきたが成果としてまとめ公表するには至っていない。また、本研究開始には自施設ならびに協力施設の倫理審査が必要であり、協力施設の倫理審査の承認に時間を要したため、当初の研究計画より実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はプログラム開発に向けてデータ収集と分析を進めることが必要となる。文献検討とフィールドワークは継続しながら、新たな知見をプログラム案に反映する。データ収集には協力施設の確保はできているが、研究参加者は不足しており必要なデータが得られていないため、データ収集の実施を加速する必要がある。そのため、調査実施をサポートする研究協力者を加え、子どものライフスキル育成に関して先駆的に取り組んでいる専門家の助言を得ていき、研究体制の拡充を図る。本年度は調査実施と分析を加速させ、暫定的であるが本プログラムの考案とプログラム試行に向けた展開内容を検討していくことが可能と考える。
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Causes of Carryover |
理由:予定されている研究参加者が得られずデータ収集の途中であるため、調査と分析に関する経費支出が少なかった。プログラム作成と実施の経費は次年度に繰り越すこととした。使用計画:本年度はデータ収集と分析、プログラム案の作成が主な研究活動であり、調査実施・分析の経費として旅費・人件費・謝礼に用いる。
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