2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者の長期的アウトカムと費用対効果をふまえた早期排尿自立支援システムの構築
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16K12192
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 美香子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (40382957)
平松 知子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70228815)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳卒中患者 / 急性期 / 回復期リハビリテーション病棟 / 排尿自立 / 尿路感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:尿道カテーテルの長期留置は、尿路感染症発生や歩行能力低下につながり、脳卒中患者の生活機能を維持するには避ける必要がある。本研究では、急性期に尿道カテーテル留置管理となった脳卒中患者に対して、急性期病院から回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)への継続的排尿自立支援の有効性を検証した。 方法:急性期病院において尿道カテーテル留置管理となり、回復期リハ病棟に転院した脳卒中患者(介入群70名、対照群60名)に対し準実験研究を実施した。介入群には、急性期に排尿日誌および膀胱容量測定による下部尿路機能評価に基づく排尿管理を行い、その後の回復期リハ病棟への情報提供による継続的排尿自立支援を行った。対照群は急性期の早期排尿自立支援のみとした。 結果:介入群は、回復期リハ病棟入院中に尿路感染症を発生した者が0名であり、対照群に比べて有意に低く(0% vs. 6.7%, p=0.028)、排尿方法が発症前と比べて退院時に維持・向上していた者の割合が高い傾向を示した(85.7% vs. 72.9%, p=0.070)。脳梗塞患者は、在院日数が有意に短かった(56.5±25.4 vs. 77.6±34.4, p=0.049)。 結論:脳卒中患者において継続的排尿自立支援は、尿路感染症の予防、在院日数の短縮に有効であった。また、退院時に発症前の排尿方法に回復できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた目的を検証できたため、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
尿道カテーテル留置管理以外の高齢患者に対する早期排尿自立支援に関しても、アウトカムおよび費用帯効果を検討していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入予定だった携帯型超音波画像診断装置について、最終年度に使用することとなったため、次年度に購入できるよう繰り越した。 (使用計画) 尿道カテーテル留置管理以外の高齢患者に対する早期排尿自立支援を検討するため、物品費(携帯型超音波画像診断装置)、旅費(学会発表など)、人件費(外国語論文の校閲)にて支出を予定する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] 原著論文2017
Author(s)
正源寺美穂, 池永康規, 小西あけみ, 湯野智香子, 中田晴美, 新多寿, 西野昭夫, 吉田美香子
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Journal Title
脳卒中患者に対する急性期から回復期リハビリテーション病棟への継続的排尿自立支援の効果
Volume: 21(4)
Pages: 304-312
Peer Reviewed
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