2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者の長期的アウトカムと費用対効果をふまえた早期排尿自立支援システムの構築
Project/Area Number |
16K12192
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 美香子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (40382957) [Withdrawn]
平松 知子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70228815)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脳卒中患者 / 急性期 / 回復期リハビリテーション病棟 / 排尿自立 / 尿路感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急性期病院において尿道カテーテル留置管理となった高齢患者を対象に、長期的アウトカムと費用対効果をふまえた継続的排尿自立支援システムの構築を目的とする。 継続的排尿自立支援を必要とする脳卒中患者は、急性期、回復期、生活期という病期に分かれ、多くは入院施設を移動しながら専門的なリハビリテーションを受ける。その過程で、再度自立して排尿できるよう、ADLの回復を目指す。一方、脳卒中患者の在宅復帰を妨げる主な要因は、排尿介助といわれている。 これまで脳卒中患者に対する早期排尿自立支援により、「下部尿路機能」は急性期病院を退院するまでに改善する一方、排尿管理の自立の程度を示す「排尿自立度」は十分な回復を認めなかった。そこで、急性期病院から回復期リハビリテーション病棟への継続的排尿自立支援を確立して、有効性を検証した。その結果、急性期の早期排尿自立支援のみに比べて、継続的排尿自立支援は、回復期リハビリテーション病棟における尿路感染症の予防、在院日数の短縮、排尿自立度の維持などに有効であった。 しかしながら、急性期病院においてカテーテル管理に起因しない残尿や尿路感染症を伴う高齢患者には、排尿自立支援が行き届いていない。そのため、カテーテル管理に起因しない高齢患者の下部尿路症状の実態をふまえたうえで、より精密に分析し、長期的アウトカムと費用対効果をふまえた継続的排尿自立支援システムを構築する必要があると考えた。そこで、入院時の高齢患者に対する残尿スクリーニング方法について検討し、対象を拡大して、データ収集および分析を継続することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた目的を検証できたため、順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
尿道カテーテル留置管理以外の高齢患者に対する下部尿路症状の実態をふまえたうえで、再構築した継続的排尿自立支援システムに関して、学会発表および論文投稿する。
|
Causes of Carryover |
(理由)急性期病院で尿道カテーテル留置管理の高齢患者を対象に、長期的アウトカムと費用対効果をふまえた継続的排尿自立支援システムを構築し、有効性を検証してきた。さらに尿道カテーテル留置管理以外の高齢患者の下部尿路症状有訴率をふまえるなど、より精密な分析が必要になった。そのため、当初予定していた学会での発表および論文投稿を次年度行うこととなり、未使用額が生じた。 (計画)補助事業期間を延長し、再構築した排尿自立支援システムについて、学会での発表および論文投稿を行う。
|
Research Products
(5 results)