2021 Fiscal Year Research-status Report
介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標の開発
Project/Area Number |
16K12194
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渕田 英津子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90315846)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 生活機能 / 多職種協同 / ケア指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標」を作成することである。2021年度は,これまで実施した研究1:「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標」に必要な要素・項目の検討,研究2:「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)」の使用可能性の検討,研究3:「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)」の内容妥当性の検討の結果を統合し,137要素・40事象・21項目から成る「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)」を作成した。また,研究2,研究3の個別インタビューで得た意見を基に使用手順書と使用尺度の説明を記載した参考資料を加えた「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を作成した。その後,研究4:「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を介護施設の認知症高齢者8名に4週間試用し,主担当として試用したケア職員(看護職4名,介護職4名)に,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」の要素・事象・項目の必要性,試用して良かった点・困った点について個別インタビューをした。結果,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」の86要素・29事象・16項目に修正・削除の検討が必要と示された。また,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を効果的に使用するには,使用期間の検討,専門用語や使用されている言葉の説明などが必要であると意見が述べられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標」を作成するために,2021年度は,研究1:介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標に必要な要素・項目の検討,研究2:介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)の使用可能性の検討,研究3:介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)の内容妥当性の検討の結果を統合し,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を作成した。 研究4は,介護施設で使用できる「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を検討する目的で,介護施設の認知症高齢者に「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を4週間試用し,主担当として試用したケア職員に個別インタビューを実施した。しかし,2021年度は,2020年度から引き続きCOVID-19の感染拡大が続いている状況であった。そのため,COVID-19の感染を考慮した「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」の試用や試用後のインタビュー方法の検討が必要となった。また,研究4を実施するための事前説明,週1回の研究者の訪問もCOVID-19の感染状況を考慮する必要が生じた。さらに,試用後のケア職員への個別インタビューにおいても,地域や施設の感染対策に応じたインタビュー方法の検討が必要となった。そのため,研究4の実施準備や実施に時間を要し,研究4の分析開始が予定より遅れた。なお,本学の老年看護学は,学部の実習を研究者ともう1名の教員,学部の講義・演習と大学院を研究者1名で実施している。そのため,研究に使用できる時間の確保が困難な状況が継続している。これらの理由により,研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1では,全国の介護施設のケア職員を対象に,国内外の文献検討により作成した「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標」に必要な要素・項目の必要性について質問紙調査を行い,2要素を削除,3要素を追加した。研究2では,介護施設のケア職員を対象に,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)」の使用可能性について個別インタビューを行い,101要素・事象・項目を使用可能,92要素・事象・項目を修正により使用可能,43要素・事象を削除した。研究3では,認知症ケアの専門家を対象に,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.1)」の内容妥当性について個別インタビューを行い,98の要素・事象・項目を妥当,98の要素・事象・項目を修正により妥当,40要素・事象を削除,2事象を追加した。研究4では,研究1~3の結果を統合し作成した「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を介護施設の認知症高齢者8名に試用した。その後,主担当として試用したケア職員を対象に,介護施設で使用できる「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を検討する目的で個別インタビューを行った。その結果,41要素・12事象・5項目の修正,2要素を削除する必要性が示された。加えて,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」の使用期間,使用する尺度,専門用語や言葉の説明を検討する必要性が示された。 2022年度は,研究4で検討の必要性が示された使用期間,使用する尺度,意図が伝わり難い専門用語や言葉,手順書の修正を行い,介護施設のケア職員が使用できる「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.3)」の作成をする予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は,研究1~3の結果を統合して「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を作成した。その後,作成した「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を介護施設の認知症高齢者に試用した。また,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」を主担当として試用したケア職員に個別インタビューを行った。しかし,COVID-19の感染拡大が継続している状況があり,研究4の実施準備や実施に時間を要し,研究4の分析開始が予定より遅れた。そのため,2022年度に,研究4で検討の必要性が示された「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.2)」の使用期間,使用する尺度,意図が伝わり難い専門用語や言葉,手順書の修正を行い,介護施設のケア職員が使用できる「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.3)」を作成する予定である。そのため,「介護施設の認知症高齢者の生活機能を支える多職種協同ケア指標(Ver.3)」の作成に必要な文献や,これまでの研究成果を発表するための学会参加費などが必要となる。
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