2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の入浴事故を回避するための安全な入浴方法の開発 -段階的起立動作の効果-
Project/Area Number |
16K12201
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
肥後 すみ子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (90320770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 入浴事故 / 高齢者 / 入浴方法 / 安全 / 生体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者を対象に入浴事故を回避するための安全な入浴方法を検討することを目的としている。入浴事故は、後期高齢者に最も多く発生している。死亡者の場合、浴槽内が最も多いこと、入浴中の自覚症状では失神と神経症状が多いことから浴槽内の湯温で体を温めた後の出浴時に何らかの生体反応の変動が危険リスクになっていることに着目して出浴方法の検討を行った。 研究対象者は、地域で暮らす平均年齢69.2歳の男性8名(このうち高血圧があり降圧薬服用者2名を含む)、コントロールとして若年者を対象に平均年齢20歳の男性7名とした。 入浴方法は、浴槽内の湯温に6分間浸かった後、立ち上がる時の生体反応を最小にするために浴槽内に椅子を設置し1分間座位保持後に出浴する方法(以下、2段階起立動作法)と、湯温に浸かった後一気に立ち上がり出浴する方法(以下、1段階起立動作法)を同一対象者にそれぞれ実施した。浴槽内に設置する椅子は、浴用で市販されているものを使用した。浴用いすに座ると身体が湯につかる深さはおおよそ横隔膜に位置した。 測定項目は血圧、心拍数、体温、心拍変動(メモリー心拍計。GMS社製)、脳血流量(携帯型近赤外線組織酸素モニタ装置 Poket NIRS Duo、(株)ダイナセンス社製)を用いた。データ収集は、平成30年1月~3月下旬まで、実験場所は大学近隣の診療所に設置されている特別病室の浴室を借用し、緊急時の対応は診療所長の協力を得た。 本研究は、群馬県立県民健康科学大学倫理審査委員会の承認を得た後に開始した。実験中に体調不良を訴える者はいなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度、本研究の倫理審査を申請したが諸般の都合により承認を得ることに時間がかかかってしまったことが最も大きな理由である。第2の理由として担当している授業(学部)の内容変更や大学院の授業の担当科目が増えたことで、教育のために多くの時間を要したことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集と集計は終了している。今後は統計処理とデータ分析、学会発表の準備、論文作成と投稿を計画している。
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Causes of Carryover |
上記報告の通りデータ収集とデータ入力までは終了した。次年度の計画として統計解析及び学会発表、論文投稿を実施する予定でいる。学会発表と投稿論文の作成は、国内・国外を予定している。そのため、専門的知識の提供、英文校閲料、国内・外の学会参加費、 旅費が発生する。必要によってはデータ収集の追加があり得る。
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