2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12205
|
Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
小山 尚美 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (80405117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (40279906)
流石 ゆり子 山梨県立大学, 看護学部, 名誉教授 (70279892)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 急性期病院 / 認知症ケア体験研修 / 学びの活用 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成28年度の結果を受け、「認知症ケア体験研修(以下、体験研修)」を修了した急性期病院の看護師が、体験研修での学びのうち日々の看護に活用できている内容とその要因を明らかにすることを目的とする研究を実施した。 体験研修を修了した急性期病院看護師10名に半構成的面接を実施し、逐語化したデータから体験研修での学びのうち日々の看護に活用できていることおよび活用できていないこととその要因に関する部分を一文一義となるよう抽出し、質的・帰納的に分析した。 その結果、活用できていることは【認知症の人の視点に立った安心につながる援助の実施】【その人らしい生活を継続するための様々な連携の実施】【身体拘束をせず安全に過ごすための援助】【家族への援助】【認知症ケアの質向上に向けた発信】の5カテゴリ、その要因は【体験研修での実感を伴った学び】【学びを活かしやすいスタッフの雰囲気やシステムの存在】【学びの活用による良い結果の実感】の3カテゴリが抽出された。また、活用できていないことは【その人の自由な行動を妨げている】【その人らしさを引き出す関わり】【体験研修での学びや良い関わりの発信】【関連する専門職者との連携】【その人が安心できる看護】【家族へのケア】の6カテゴリ、その要因は【認知症の人の生活を踏まえたケアを考えにくい風土がある】【必要な情報を得にくい状況がある】【治療を優先した安全が重要視されている】【認知症の人にずっとついていられるゆとりがない】の4カテゴリが抽出された。 急性期病院での認知症ケアの質向上のためには、体験研修と並行して、治療・安全に関する組織全体の意識改革の必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は体験研修修了者へのインタビュー調査及び分析を計画しており、計画通りデータ収集・分析を実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までの研究で、急性期病院での認知症ケアの質向上のためには、体験研修と並行して、治療・安全に関する組織全体の意識改革の必要性が示唆されている。したがって、今後は、急性期病院の管理者が、認知症ケアの質向上のために実施している取り組み及びその課題を明らかにし、認知症ケア研修体制構築の為の資料とする。
|
Causes of Carryover |
研究計画の変更があり、体験研修を受け入れた介護保険施設職員への調査は実施しなかったため、介護保険施設職員への謝金およびインタビューのテープ起こし委託料が不要となったことが主な理由である。
|
Research Products
(2 results)