2017 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設における認知症看護の質評価指標の開発と検証
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16K12208
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40582581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00433227)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 質評価 / 特別養護老人ホーム / 介護老人保健施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設)で療養する認知症高齢者に対し、認知症ケアのプロセスに焦点をあてたケアの質を具体的に評価するための指標を開発することである。 平成29年度は、質評価指標を使用する対象者について検討を行い、施設での認知症ケアは、看護職と介護職の連携により実践されているため、看護職のみの対象から看護職と介護職の両者が活用できる質評価指標作成を目指すことに変更した。そのため、文献検討を追加し、認知症症状の安定に有効な認知症ケアや非薬物療法、認知症症状にとQOLの関連性、認知症ケアに関連する既存のアウトカム評価やケア指針について確認した。認知症の非薬物療法は、先行研究のシステマティックレビューの結果から判断し、ケアとしてパーソン・センタード・ケアに基づくケア実践が有効であることが明確となった。認知症高齢者の疾患特性からケアに依存せざるを得ないこともありケアの質とQOLは密接に関連しており、ケアの質がQOLに大きな影響を与えていることが分かった。今後もQOLを高めるケア技術を明らかにする分析を続ける予定である。既存の認知症ケアに関連する指針や尺度については項目内容を概観し、項目選定の資料とする予定である。 また、認知症ケアの質指標項目の選定に向けた文献レビューとして、認知症ケアの具体的方法や技術を明確にするために、介護保険施設での認知症ケア実践が語られている文献を収集し、質的に分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は、インタビューを行い、質評価指標の項目選定の基礎資料作りを予定していたが、質評価の指標を活用する対象者を介護者にも広げたことより、介護者の認知症ケア実践も包括して文献を検索を行うことに計画修正を行った。また、質の高い認知症ケアの具体的実践内容を文献より質的に分析し、質評価指標の項目選定案を作成することへ計画修正を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、認知症ケアの実践について文献検討を行い、その結果を基に質評価指標項目の素案作りを実施する。項目素案について、研究者らにて検討を行い、項目素案の確定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度の研究計画では、介護保険施設に所属する認知症看護認定看護師へインタビューを行う予定であったが、研究計画の変更により実施していない。そのため、インタビュー調査に必要な旅費および謝金や物品購入費が未使用となっている。 (使用計画) 平成29年度の計画変更に伴い、インタビュー調査を行わないが、質評価指標の項目選定では、研究者および認知症ケアの専門家による項目選定検討会を予定しており、検討会の記録のためのICレコーダ等の物品購入、専門家への謝金支払いを計画する。また、文献検討の分析結果をまとめ学会発表を行う予定であり、学会参加費・旅費の使用を計画する。
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