2020 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞の急性期治療を受ける高齢患者のせん妄リスクアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
16K12217
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
菅原 峰子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (70398353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 亜紀 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (20438609)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢患者 / 脳梗塞 / せん妄 / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年12月~2020年1月に脳梗塞の高齢患者のせん妄リスクアセスメントのための観察の重要性を明らかにする調査をまとめた。この調査は、関東地方の神経内科と脳神経外科を標榜する100床以上、2次・3次救急を担う病院に勤務する看護師で、神経内科、脳神経外科病棟に勤務する脳梗塞患者の看護経験5年以上または脳梗塞患者の看護をおこなう病棟にてリーダー業務経験があるものを対象として、自記式無記名式質問紙調査法により実施したものである。 高齢脳梗塞患者のせん妄リスクアセスメントにかかわる観察点は身体状況から心理社会的側面の62項目について分析した結果、観察点として「とても重要」「やや重要」の回答の合計が90%以上であった項目は27項目あった。特に認知機能に関しては9項目中7項目について重要性が高いと回答し、「認知症の程度」は約80%が「とても重要」と回答した。身体の一般状態では「睡眠」「痛み」「内服薬(エチゾラム錠)」「失禁」の重要性が特に高かった。心理面の11項目では、「ルート類や安静度への受け入れ」などの治療器具への理解と受け入れ、「脳梗塞発症に対する心理的混乱」など8項目について90%以上が重要と回答した。家族・介護状況の6項目では、「家族の訪問頻度」など3項目について90%以上が重要と回答した。 予定では、この調査結果をもとに脳梗塞で入院した高齢患者のせん妄リスクアセスメントツールを作成し、妥当性について検討する予定であったが、新型コロナウイルス感染症予防対策のため、妥当性を検証する調査までにはいたらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウィルス感染症感染予防にかかる所属大学の時間割調整、非常勤講師対応、オンデマンド講義対応に時間を要し、調査の準備が進まなかった。同時に、本研究は医療機関で勤務する看護師の協力が必要となるため、医療機関への負荷のない時期や方法の困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、看護実践者が高齢の脳梗塞患者の入院時のせん妄リスクアセスメントに関する観察として重要視している項目について分析をすすめ、実際に臨床で効果的かつ効率的に活用できるように精選し、アセスメントツール案を作成する。 さらに作成したアセスメントツール案の妥当性などについて実践者から評価を受ける。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症により研究の成果を発表する予定であった学会が紙上開催またはオンデマンド開催に変更となり、旅費、物品費が不要となった。また3つ目の研究の実施が困難であったため、それにかかる物品費、人件費などの支出がなかった。 2021年度は第1段階、第2段階で実施した研究結果をもとにせん妄アセスメントツールを作成し、妥当性を検討するため実践者から調査を行う。この調査には新型コロナウイルス感染症予防に配慮し、郵送、またはオンライン面接などの手法を用いる。さらに調査の最終年度にあたるため、調査のまとめとして論文作成とそれにかかる翻訳の業務委託が必要となる。以上より、今年度は、文房具などの物品費、人件費・謝金、通信費が主たる支出となる予定である。
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Research Products
(2 results)