2021 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞の急性期治療を受ける高齢患者のせん妄リスクアセスメントツールの開発
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16K12217
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
菅原 峰子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (70398353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 亜紀 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (20438609)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 脳梗塞 / せん妄 / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は2020年に調査した脳梗塞の高齢患者のせん妄リスクアセスメントのための観察の重要性を明らかにする研究から得られたデータから、入院時に看護師が重視する観察点を明らかにするものである。対象者は関東地方の神経内科と脳神経外科を標榜する100床以上、2次・3次救急を担う病院に勤務する看護師で、神経内科、脳神経外科病棟に勤務する脳梗塞患者の看護経験5年以上または脳梗塞患者の看護をおこなう病棟にてリーダー業務経験があるものである。自記式無記名式質問紙調査法により実施した。 回答した看護師は274名(回答率19.6%)で脳血管疾患患者への看護経験は平均12.9年であった。 せん妄リスクアセスメントにおいて重要な病日1日目の情報として50%以上の看護師が「重要」「とても重要」とした34項目の構造を分析した。事前準備として34項目の相関係数を確認し、相関係数が0.7以上の項目は一方削除して分析した。初期階の推定には一般化した最小2乗法を用い、因子の回転にはプロマックス回転を選択した。因子数はカイザーガットマン基準に従って決定した。因子負荷量の基準は0.4以上とし、いずれの因子にたいしても0.4以上とならない項目は削除した。 結果、身体面においては3因子、18項目となった。因子間の相関係数は0.17から0.50であった。第1因子は9項目からなる脳梗塞症状に関するもので、第2因子は4項目からなる認知機能、第3因子は不快・苦痛の兆候と考えられた。寄与率は第1因子が30.6%、第2因子が13.9%、第3因子が7.1%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は20年度に引き続き新型コロナウィルス感染症の影響により研究協力を得るための医療機関への訪問やそれにかかる遠方への出張のタイミングが計りにくかったこと、同感染症感染予防にかかる所属大学の業務に時間を要し、予定していたエフォートを確保できなかったことが進捗状況が遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、病実1日目とそれ以降の時期の二時点のリスクアセスメント項目を試作する。医療機関に立ち入る調査、出張を要する調査が困難な状況が続くと予測されるため、脳梗塞の高齢患者に対する看護経験を有する看護師を対象にリスクアセスメントツールを検証を行う。医療機関への負荷を減じ、感染予防対策を講じるため、オンラインまたは質問紙調査とする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症に関連した学内業務の増加により、時間的な制限が著し状況であったため。 2021年度は最終の調査と論文作成にかかる経費として使用する。
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