2017 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケア病棟の看護・介護を可視化するクリニカル・ダッシュボードの開発と適用
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16K12222
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
瀬戸 僚馬 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (20554041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 俊孝 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20274615)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 病棟業務支援システム / 看護支援システム / ダッシュボード / 認知限界 / 業務負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる本年度は、ダッシュボードの実装に向けた開発工程に時間を割いた。まず、アメリカ診療情報管理協会(AHIMA)の長期療養型施設におけるICT利用の白書を公表した等の海外事例も考慮して、できる限り、看護職・介護職の手入力を要しないシステムの構築を目指すことにした。その結果、バイタルサインの入力機能を持つ医療機器等を用いて、患者と看護職・介護職の接点を紐づけるシステムの援用がもっとも効率的であり、これに日常生活ケア等の情報を付加していくことが必要であることが示唆された。 どのような情報をダッシュボードに盛り込むかについては、既存の看護記録のテキストマイニング等を通じて、要素の洗い出しを行った。ここでは、痛みや腹部の症状などに関する記録が多いが、必ずしも状態を的確に表現できている記録ばかりでないことも明らかになり、より標準的な観察指標等を情報システムによって看護職や介護職に提供することで、より効率的で質の高い記録を可能にする手法の導入を検討することとなった。 また、病棟系の情報システムの発達により、看護職・介護職の認知限界を上回る情報を提供してしまう可能性についても検討した。認知限界の議論は、看護職・介護職の業務に関しては必ずしも十分ではないので、シミュレーション技法など関連分野の知見を取り入れて、必要最小限のデータ・情報を提供する仕組みの検討を行った。 よって、ごく基本的な機能のダッシュボードについては運用可能な状態にあり、そこに付加すべき情報についても、ある程度の整理が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ダッシュボードの実装に向けた開発研究を主たる計画としていたが、既存のシステムを援用する形でその実装はほぼ完了しており、これに付加すべき情報の整理も行うことができた。また、これらの成果を国際学会等で報告もできていることから、研究活動は概ね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度にあたるため、ダッシュボードに取り込むべきデバイス活用に関して更なる検証研究を行い、その一部は、知的財産として確立するための準備を進めていきたい。また、臨床的検証の場を設け、本研究成果の有用性を、学会発表等を通じてアウトリーチしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究活動はほぼ計画通りに伸展し、最終年度にあたる次年度は研究成果の検証と取りまとめにエフォートを割く予定である。若干の次年度使用額を繰り越しているが、これは研究成果の取りまとめに伴う資料印刷費の一部に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)