2016 Fiscal Year Research-status Report
超音波画像を用いた要介護高齢者の排便ケアの質的向上を目指したプログラムの開発
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16K12237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藪中 幸一 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (00737215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (70547827)
駒形 和典 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80735720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波 / 便秘 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
・便秘症は腹部膨満感や腹痛など不快な症状を呈し、要介護高齢者に高率にみられる。特に、腹部膨満感がガスによるものか便によるものかは治療を要する便秘かどうかの判断に重要であるが、腹部触診や問診ではその区別は困難であり、適切なケアを提供できていない現状がある。そこで、申請者は利便性と安全性を兼ね揃えた超音波画像装置を用いて大腸を可視化し、大腸内部をアセスメントすることでこの問題の解決を目指す。本研究では、要介護高齢者を対象とし、超音波画像装置を用いた適切な排便ケア方法の確立を目的とする。 ・調査方法:便秘期間の短縮、快適な排便、排便回数の減少、不要な酸化マグネシウム投与の減少をアウトカムにした横断観察研究。超音波画像を取得し、患者より排泄されたものの性状との関連をみる事で、得られた画像がどちらを示しているのかを確認する。 対象者:要介護高齢者で、担当医にて便秘症と診断された75 歳以上の男女50 名を対象とする。 ・調査内容:対象者の属性として、性別、年齢、日常生活自立度、併存疾患を調べる。排便障害に関して、既往歴、排便の頻度、下痢症状の有無、および排便方法について調べる。下剤内服者については下剤の種類を収集する。排便状態に関連する要因として、食事量、水分摂取量、離床時間、座位保持能力、便意の有無について調査する ・超音波画像の撮影方法:超音波画像の撮影部位は, 上行結腸, 横行結腸, 下行結腸, S状結腸, 直腸の5 カ所とする。また、超音波画像による便性状の評価は、硬便、軟便、正常に分類する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・本研究課題の当初研究目的の達成度は現時点で60%である。 要介護高齢者に対して、便貯留と大腸ガスの区別は可能で、便秘に対しては直腸性便秘又は結腸性便秘に区別できると考える。ただし、本研究は、排便困難な便秘症と判断し排便ケア実施が決まった要介護高齢者を対象としており、研究実施前に患者又は家族からの承諾を得る必要がある。研究対象者の中には、認知機能の低下があり意思決定が困難な患者が含まれており、家族から同意を得る前に排便ケアが行なわれる場合がある。また、研究者が、排便状態に関連する要因を患者から得る場合にも同様に困難な場合がある。 ・今後は、患者への十分な倫理的配慮を行いながら、エコーを用いた適切な排便ケア方法の確立を目指した更なる調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波画像による排便ケアの適性や有効性の評価 ・対象:要介護高齢者で、担当医にて便秘症と診断された75 歳以上の患者とする。 ・調査手順:問診(既往歴、排便の頻度、排便時の困難感と下痢症状の有無、および排便方法)及び排便状態(King's stool char)と大腸のエコー画像を比較検討している。エコーは排便ケアの翌日から便秘が改善するまで1日1回実施する。 ・排便ケアの適性や有効性の評価は、排便ケア実施後の排便状態から下剤又は浣腸を選択した排便ケア方法の適性と有効性を評価する。便秘症の要介護高齢者を対象に触診と聞き取り調査で推測される排便状態は、一般的に行われている看護アセスメントであるが、エコー画像を追加することで、ガス貯留か便塊かを区別することができ、より精度の高いアセスメントになると考える。よって、排便困難な要介護高齢者にエコーを行うことで、適切な排便ケア(下剤、浣腸、摘便、坐薬)、便秘日数の短縮、薬剤の減少による排便を行うことが可能ではないかと推測される。 ・研究が当初計画どおりに進まない時の対応:聞き取り調査及びエコー画像が計画通りに進まないときは、その時点までのデータを使用して研究を進める。又は、東京近郊や金沢市近郊の介護保険施設での実施を依頼する。
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Causes of Carryover |
初年度に主要な物品費(超音波診断装置)を1,500,000円で購入予定であったが、ベットサイドで超音波検査を実施するため、持ち運びが容易な携帯型の超音波診断装置が必要となった。しかしながら、大腸観察に最適な携帯型の超音波診断装置が販売されていなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、携帯型の超音波診断装置が医療機器メーカーから販売開始される予定であり、購入を検討している。
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Research Products
(1 results)