2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木全 真理 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (00553570)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 法制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、訪問看護師がどのように法制度にない看護ニーズを把握して、社会の課題の解決に結び付けていく、先駆性のある訪問看護を実践するのか、その手法を可視化するために、3か年計画で次の手順で進めている。 初年度(平成28年度)と2年目(平成29年度)は、健康保険法あるいは介護保険法(法制度)にない訪問看護を実践する看護師を選定することとした。そのために、全国の訪問看護事業所の看護師を対象に、法制度にない訪問看護のニーズと実践の実績について、質問紙による調査を実施するための計画を立案した。この調査の実施にあたっては、法制度にない訪問看護を実践する看護師3名に調査方法を確認した。そして、比較的規模の大きい事業所(看護職員の常勤換算数5名以上等)を抽出し、全国1773カ所の訪問看護事業所の管理者(看護師)を調査対象とした。調査は、1)管理者の属性や管理者の所属する事業所の体制、2)訪問看護の利用者宅以外における、法制度にない訪問看護のニーズと実践の実績に関して、郵送により実施した。これまでの成果を踏まえ、3年目(平成30年度)に計画している調査の準備のため、看護師自身から語られるデータの収集として半構造化面接法、看護師自身が認知できていないデータの有無の確認のため参加観察法を中心とした調査方法を検討した。 3年目は、法制度にない訪問看護を実践した実績のある看護師に面接等による調査を実施する。そして、法制度にない看護ニーズを把握して、そのニーズに対応する実践によって、社会の課題の解決に結び付けてきた「先駆性のある訪問看護を実践する」看護師の手法を整理する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、実施を予定していた質問紙による調査を実施し、平成30年度に実施予定の面接等の調査の準備を行ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査によって得られたデータの分析は、どのように法制度にない看護ニーズを把握して、そのニーズに対応する実践によって、社会の課題の解決に結び付けていくのか、看護師に内在する様々な側面を捉える。しかし、法制度にない看護ニーズとそのニーズに対応する実践の記録やそれを実践してきた看護師の記憶は、看護師が所属する事業所の特性や看護師の考え方によって、さまざまであることも明らかとなってきた。よって、これらの側面も考慮しながら、本研究の遂行にあたる。
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Causes of Carryover |
今年度の質問紙調査の実施にあたって対象数や質問項目の増加があったため、次年度以降に調査協力への謝礼の支払いを精査している。よって、今年度の使用額は予定より少なくなった。 次年度は、計画している面接等の調査の実施にあたって、国内外における調査の実施や学会参加に関する旅費等の経費を計上する予定がある。
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