2016 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアにおける連携・協働のコア学習内容に基づいた個別学習プログラムの開発
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16K12239
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本田 彰子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (90229253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (10225237)
内堀 真弓 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 講師 (10549976)
緒方 泰子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (60361416)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 他職種連携 / 地域包括ケア / 在宅療養支援 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究は、連携協働に特化したコア学習内容を創出することを目的とし、文献検討に加えて、先駆的に多職種連携の実践や教育に関わっている専門職へのヒアリングを行うことを計画した。 対象は、連携協働に関連した在宅ケアや在宅療養者支援、及びその実践者教育に先駆的に取り組んでいる集団、組織、個人を選定し、研究協力者のネットワークを活用し、地理的に最も近い者がヒアリングを担当することとした。およそ12程度の組織、集団を候補として挙げたが、ヒアリング協力の同意が得られ、実施できたのは10名であった。 ヒアリングでは「実践している連携や協働」「連携や協働で必要な能力」「連携や協働で必要な能力の育成」等、連携協働において、今後学び身に着けることが求められる学習内容を聴取した。聴取した内容の分析については、当初研究計画では連携タイプを設定し、タイプ別の連携能力の獲得、人材育成を考えていたが、得られたデータからは、職種や利用者の状況の違いに関わらず、地域で療養を継続できることを目的とした基本的、かつ包括的な学びの方向性が示唆された。よって、分析の方向性として、タイプ別を避け、どの職種であっても、またどのような状況にある利用者や職種であっても、身に着けるべき基本的学習内容を提示することとした。逐語録より、身に着けるべき学習内容を行動レベルの表現で抽出し、類似の意味内容で分類、統合を繰り返し、23のサブカテゴリー、7のカテゴリーが得られ、利用者中心とした到達点として「利用者が地域で暮らし続けることができる体制を作ることができる」を挙げたプロセス図で学習内容を説明することができた。 今後は、示された構造的な連携協働の学習内容から、自主的、自律的学習方法を展開することが可能となる学習プログラム案を作成し、専門家会議、学会等交流集会での意見聴取・意見交換を経て、試案の検証に繋げていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りにヒアリング調査実施に向けて学内研究倫理審査の承認を得ることができた。しかし、目的に合った調査対象が全国に散在しており、研究協力者によるヒアリング実施の日程等の調整に時間がかかり、29年2月に分析作業に取り掛かることとなった。得られた結果をプログラム案とすること、専門家会議や交流集会で精錬することは、比較的短期間集中で実施できると考えられ、次年度計画は当初より順当に進むことが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
専門家会議の開催日、招集する専門家候補について、また、参加登録可能で研究内容に適当な交流集会についても検討し、決定済みである。同時に、初年度の調査研究から得られた連携協働に必要な学習内容の構造化については、医療福祉関連の学術誌に投稿を目指して、執筆に取り掛かるところである。
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Causes of Carryover |
ヒアリング調査については、できるだけ近い研究協力者が担当することとしたため、調査経費を少なくすることができた。また、専門家会議を平成28年度内に開催することができなかったためそれに係る謝金を使わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
謝金に関しては、専門家会議を平成29年6月に実施することとしており、その費用に充てる。
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