2018 Fiscal Year Research-status Report
総合病院の看護師に対するSBIRTの教育プログラムの有効性と導入課題に関する研究
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16K12249
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大脇 由紀子 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30765392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 尚 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80608935)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / アルコール使用障害 / 危険な飲酒 / SBIRT / 看護師 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①総合病院の看護師がアルコール使用障害などの危険な飲酒に該当する入院患者をスクリーニングし、適切な支援に紹介する一連の方法(SBIRT)について、講習を受け、実践したことによる変化を明らかにすること、②SBIRT導入の課題を明らかにすることを目的とする。 平成30年度は、2019年1月に、研究協力機関(総合病院)の看護師を対象としたSBIRTに関する講習を実施し、講習前の質問紙調査を実施した。調査対象となった看護師 163名に質問紙を配布し、140名(有効回収率 85.9%)の有効回答を分析した。対象者の平均年齢は34.9歳、性別は女性118名、男性18名であった。アルコール依存症の人に関わった経験がある看護師は、138名のうち100名(71.4%)であった。2014年に施行されたアルコール健康障害対策基本法の概要について「知っている」と回答した看護師は、140名のうち14名(10.0%)であった。SBIRTの概要についての知識は、「知っている」と回答した看護師は 140名のうち19名(13.6%)であった。SBIRTの実施に関する認識は、重要度の平均 4.7、自信度の平均 4.0であった。勤務場所における危険な飲酒に該当する患者の割合の認識は、平均 約18%であった。アルコールに関連した問題のある患者に対する態度尺度(日本語版 AAPPQ)の平均値は、合計 105.7、下位尺度の役割適性 20.0、役割正当性 15.4、役割サポート 11.2、モチベーション 18.5、仕事に特有の自尊心 22.9、仕事満足感 16.9であった。看護師の飲酒率は 76.3%で、AUDIT-C の平均 2.7、AUDIT の平均 3.8であった。 SBIRTに関する講習と実践に伴う看護師の変化と、SBIRT導入の課題は、3か月後の2019年4月に質問紙調査を実施し、検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力機関(総合病院)の共同研究者と連携し、看護師を対象としたSBIRTに関する講習と講習前の質問紙調査を実施した。次年度2019年4月に、講習3か月後の調査を実施する予定である。 危険な飲酒に該当する患者に対して、リエゾン精神看護専門看護師が使用するパンフレットは、引用・参考元の四日市アルコールと健康を考えるネットワーク、および久里浜医療センターの許諾を得て、介入に使用されている。現在、リエゾン精神看護専門看護師の要望に合わせて、より分かりやすいパンフレットに修正することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年4月に実施する3か月後の調査結果を含めて、研究の結果を分析し、学会発表と論文により、結果を公表する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、教育プログラムと調査の実施のスケジュールが2019年1月に変更となり、学会および論文による成果の発表ができなかったためである。 次年度(平成31年度)は、研究協力機関における研究活動(3か月後調査の実施)と、成果発表に伴う経費として、使用する計画である。
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