2018 Fiscal Year Research-status Report
経年分析に基づく訪問看護事業所の質・事業継続に関する実証研究
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16K12251
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柏木 聖代 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (80328088)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 事業継続 / 質 / 訪問看護事業所 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)訪問看護事業所数の伸び率が高い都道府県に所在する新規開設の訪問看護事業所を対象とした質問紙調査データを用い、地域ネットワークの取り組みに関連する要因について分析した。その結果、地域連携には88.9%の事業所が取り組んでいた。一方、ニーズ把握、地域貢献の取り組み割合は58.2~38.5%であり、それらに取り組む要因は、開設時における訪問看護経験のある看護職員数が少ない、非営利法人、同一法人が他にも訪問看護事業所を運営していること等を明らかにした。本成果は日本在宅看護学会誌に投稿し、採択された。2)「介護サービス情報公表システム」掲載の全国の訪問看護事業所のデータベースの2014年度調査分を用い、訪問看護事業所の事業継続期間に関連する要因を検討した。事業継続年数は、15年以上が43.9%、10年~15年未満は13.9%、5年以上10年未満が17.9%、5年未満が14.3%であった。多変量解析の結果、「高齢化率が高い」「指示書発行医療機関数が多い」「居宅介護支援を併設」「生活保護法の指定を受けている」「土曜日の営業」「看護職員常勤換算数が多い」「訪問看護経験年数10年以上の看護職員割合が大きい」「管理者が他の業務と非兼務」「事務職員が従事」「要介護4以上の利用者割合が大きい」「人口呼吸療法を必要とする利用者の受け入れを行っている」「第三者評価を実施」「訪問看護記録に利用者等の希望、健康状態等が記載」「倫理規定がある」「全ての現任従事者を対象とする研修の実施記録がある」ほど事業継続年数が有意に長いことを明らかにした。本成果は学会誌に投稿予定である。3)2014年度および2016年度の訪問看護事業所のパネルデータを作成し、新規参入、休止・廃止した訪問看護事業所の特性について分析中である。4)これまでの成果を踏まえ、次年度実施予定の全国調査の調査設計中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、本年度(平成30年度)が最終年度であったが、全国の訪問看護事業所のパネルデータベースの作成(データクリーニングおよび廃業した事業所の確定等)に想定以上の時間を要した。さらに、これらの結果をもとに本年度、全国調査を実施する予定であったが、実施が困難となり、補助事業期間を延長し、実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(令和元年度)に、本年度(平成30年度)に作成したパネルデータを用いて、訪問看護事業所の新規参入および休止・廃止に関連する要因を明らかにする。そして、これまでの成果をもとに、訪問看護事業所の質の評価指標を選定し、全国レベルでの実態調査を実施する。これらの成果は、国内外の学会誌に投稿し、公表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度(平成30年度)までに実施した研究結果から、本年度実施予定であった全国調査を次年度に実施することになったため請求額と使用額に差が生じる結果となった。専門家パネルによる検討を含む全国調査に係る経費および作業の人件費等については次年度(令和元年度)に使用予定である。
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Research Products
(1 results)