2016 Fiscal Year Research-status Report
がん終末期独居高齢者の在宅看取りを可能とするための訪問看護の実践と医療・介護連携
Project/Area Number |
16K12255
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
柄澤 邦江 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (80531748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 貴恵子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20220147)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 独居高齢者 / がん終末期 / 在宅看取り / 訪問看護 / 医療・介護連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん終末期独居高齢者の在宅看取りに関して報告された国内の個別事例の文献検討を実施し、訪問看護師の看護実践と今後の課題を明らかにした。会議録を除く過去約5年間の7つの看護文献を対象とした。その結果、訪問看護の看護実践については、療養者に対して苦痛緩和、症状コントロールなどが実践されていた。また別居の家族や他職種等との協力が見られた。これらのことから医療・介護のサービスとともに、別居の家族・友人・近隣の人々と連携・協力していくことの必要性が考えられた。さらに在宅における看取りのためには、症状コントロールを適切に実践する必要性などが考えられた。また、がん終末期独居高齢者の在宅療養に関する国外の文献を検討した。質的研究では、ひとり暮らしであることの不利益やケアの場所などについて不安を抱えていることが明らかになった。独居高齢者の終末期に関して、国内外いずれも支援について課題が多く、個別性の高いものであることが考えられた。特に高齢者本人は看取った後のことも不安があることから、別居の家族、友人、親族の協力を得るなど幅広いコーディネイトの必要性が考えられた。これらの文献検討から、今後がん終末期独居高齢者の在宅看取りを可能とする訪問看護実践と医療・介護連携に関するインタビュー調査・質問紙調査を実施する上での重要な視点が得られた。本研究により、がん終末期独居高齢者の在宅看取りを可能とするためには、どのような訪問看護の実践や医療・介護連携があればよいのか、より具体的に明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外の文献検討を丁寧に調査したため、まとめに多くの時間を要した。そのため計画はやや遅れている。当初計画では次に質問紙調査を行う予定であったが、グループインタビューあるいは面接調査を先に実施したほうが目的に添って進行できるか検討中である。研究分担者および連携研究者との話し合いをして次の段階に進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
がん終末期独居高齢者の在宅看取りを可能とするための訪問看護の実践と介護・医療連携を訪問看護師の視点から明らかにするため、第2段階として実際に独居高齢者の看取りに関わった訪問看護師を対象にグループインタビューまたは面接調査を行い、さらに質問紙調査を行う。
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Causes of Carryover |
2段階目の調査が遂行できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度以降の調査方法を見直し、研究目的に添って遂行したい。したがって、次年度以降で見込み使用額は全額使用する計画である。
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