2017 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会における外国人高齢者への包括的な在宅ケア支援モデルの開発
Project/Area Number |
16K12258
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
李 錦純 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60584191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 在日外国人 / 介護保険 / 高齢者 / 多文化共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多文化共生の観点から、在宅要介護の外国人高齢者への包括的な在宅ケア支援モデルを開発することを目的としている。当該年度は、在宅要介護の在日外国人高齢者の事例分析を主に実施した。在日コリアン集住地域にあり、在日コリアン二世が運営している居宅介護支援事業所および訪問介護事業所2か所の管理者の同意と協力を得て、在日外国人高齢者事例7事例(韓国・ベトナム・中国)について、担当しているケアマネジャーへのインタビューおよび介護職、看護職へのヒヤリング、そして地域の民族性に配慮した介護系NPOによる通所介護施設や特別養護老人ホームにおける参加観察を行い、データ収集を進めた。 各事例ついては、介護保険による居宅サービスを利用し、在宅療養を継続している(いた)ことを前提とし、認知症がありながら独居で生活している超高齢者の事例、医療的ケアが必要で様々な在宅ケアサービスを活用している事例、在宅で看取った事例、特別な家族支援が必要な事例等、対応が困難な事例や、効果的なマネジメントと良好な関係性により円滑に在宅介護支援体制が構築出来ている事例など、多様かつ象徴的な事例を選定した。在日コリアン高齢者については、戦後から長期在住していいる旧来外国人である高齢者と、1980年代後半に労働目的で来日した新来外国人の高齢者とで大きく背景と関わりが異なることから、両者の事例をそれぞれ選定した。 各事例につき、介護保険サービス導入から現在までの在宅療養生活における支援のプロセスについて、社会資源の活用状況、多機関・多職種との連携状況、コミュニケーション、家族支援等の観点から質的記述的に分析を進めており、支援の明確化と課題抽出に向けてまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多様な事例を選定するために、数か所の介護保険事業所へ研究協力依頼を行う手続きと調整に時間を要したこと、選定した事例の経過が長いこともあって、データ収集と分析に多くの時間を費やすことになった。介護保険サービス導入から現在までの在宅療養生活における支援のプロセスの明確化までは完了しつつあり、次の段階である課題抽出と支援モデルのフレームワークの作成に関しては、次年度早々に着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の成果に基づき、早期に検討を重ねた上で、在宅要介護の在日外国人高齢者への包括的な支援を可能にするモデルのフレームワークを作成する計画であるため、現在進めている事例分析をさらに進めて前半には課題抽出を終えて、支援モデルのフレームワーク案を作成する予定である。後半には、研究フィールドである在日外国人の高齢者支援を展開している介護系NPO事業所の2~3事例に対し、支援モデルのフレームワークが適用可能かつ実践の状況に即しているかどうかの実践試行を試みて、研究者・現場の専門職間での討議により評価と見直しを行う。
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Causes of Carryover |
事例分析にかかるインタビュー調査のテープ起こし費用の支出が次年度へ繰り越しになったこと、また、校務の日程的な都合上、予定していた国際学会での発表を取りやめたことから、次年度使用額が生じた。次年度早々には計画的に執行していく予定である。
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Research Products
(1 results)