2018 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症者の自我機能に注目するセルフマネジメント促進の看護ケアモデル
Project/Area Number |
16K12262
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 さや子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (30758967)
塩見 理香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
瀧 めぐみ 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80806026)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 若年者 / セルフマネジメント / 自我 / 看護ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『自我機能に注目するセルフマネジメント促進の看護ケアモデル』の作成である。平成30年度は前年度に引き続き精神看護専門看護師に対して、統合失調症をもつ若年者に対して実践しているセルフマネジメント促進の看護ケアの内容と、セルフマネジメント促進の看護ケアを行なうために自我機能をどのように判断しているのか、ケアの実践による患者の反応やセルフマネジメントの状況をどのように捉えているのかについてインタビュー調査を行なった。語られた事例は病棟で関わったケースと外来部門で関わったケースであった。インタビューの内容からセルフマネジメント促進の看護ケアの具体的内容、自我のアセスメントの視点とアセスメントの項目、セルフマネジメント促進に向けたケアを行なう看護師の関わりの姿勢について各事例から抽出し、質的に分析した。その結果、統合失調症をもつ若年者に対するセルフマネジメント促進の看護ケアについては、「自我境界が弱まっているときには突き詰めるような話をしない」「心身の健康状態を調整する力をつける」「症状コントロールと薬物療法との関連性について理解を促す」など13の大カテゴリー、65の中カテゴリーに分類した。アセスメントの視点は「影響の取り込みやすさ」「自分を守れる距離感」など23カテゴリー、93サブカテゴリーに分類した。関わりの姿勢は「変化や成長の過程にある大人としてみる」「失敗から学ぶ過程も成長につながる」など8カテゴリーに分類した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー対象者の確保と日程調整、インタビューデータの分析に時間を要した。一部データ分析が残っており、ケアモデル案の作成およびその評価まで至れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
残るインタビューデータの分析を進め、先行研究で得られている看護ケアとアセスメント項目と本研究の分析結果を統合し、今年度前半にケアモデル案を作成する。今年度後半にケアモデル案の活用とその評価について臨床の看護師に研究協力者として参加してもらい進める。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の協力者が予定人数確保できず、インタビューに要する旅費の発生が少なかった。ケアモデル案を研究者らで作成後、フォーカスグループインタビューで洗練化するため、依頼の旅費および参加者の旅費が発生する。ケアモデルの印刷費と学会での成果報告に使用する予定である。
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