2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the characteristics and meaning of "wandering" in elderly people with Alzheimer's disease
Project/Area Number |
16K12267
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
宮地 普子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (60364303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 順子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 名誉教授 (30265095) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / Wandering / アルツハイマー型認知症 / 一人歩き / 生活世界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度から引き続き、対象者の語りと認知症高齢者の基本データを踏まえて一人歩きの目的や意味を分析した。また、一部の成果は8月に学会発表し質疑および評価を受けた。 具体的には、アルツハイマー型認知症高齢者の「一人歩き」の特徴について、介護者の捉え方とともに明らかにした。対象と方法は、アルツハイマー型認知症の「一人歩き」を介護した経験をもつグループホームの介護者3名に半構造式インタビューを実施した。インタビューデータを時系列・各入居者別に整理し、一人歩きする際の目的や内容を分析した。その結果、3名の介護者が経験した一人歩きする認知症高齢者は3名であったが分析対象は2名とした。 U氏(90代男性)は他者とよくコミュニケーションを取るが、家業の畑の様子を見るために、ひたすら目的地へ向かって歩き、引き留めようとすると暴力行為が出現した。また、V氏(80代男性)は過去に会社勤めをしており、普段は寡黙な方であった。「役所に行く」と、玄関から「ふっ」と出掛けた。介護者は認知症高齢者の背景を捉えて行動を予見し、家族と連携して本人の思いを尊重していた。また、人柄や現在の行動からも一人歩きの理由を捉えていた。U氏やV氏(男性)には仕事に関連した目的があると考えられた。しかし、V氏の場合、介護者の一人歩きの捉え方は明確ではあったが、場所の見当識の低下や切迫感を伴う一人歩きが見られ、認知症の進行に伴う入居者本人の捉える世界の変容が推察された。以上のことから認知症進行度や生活背景などの関連要因とともに行動の意味を捉えたケアの必要が考えられた。
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Research Products
(1 results)