2016 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症者の自己に対する意識を高める看護介入プログラムの効果維持の検討
Project/Area Number |
16K12270
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Research Institution | Japan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
関根 正 日本保健医療大学, 保健医療学部看護学科, 教授 (20404931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 自己に対する意識 / 看護介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
青年期以降の自閉スペクトラム症者に対する治療的介入は、二次障害に対する薬物療法が中心であるが、対人関係の改善や長期的な社会適応、主観的QOL の改善に向けては社会心理的介入が必須である。自閉スペクトラム症者に対する社会心理的介入として、自己への意識を促すような介入が有用と指摘されている。そこで、自己モニタリング機能の活性化を促すことによって自分に対する意識を高めることを目的とした看護介入プログラムを作成した。作成したプログラムを自閉スペクトラム症者に実施したところ、自己に対する意識が高まったことと対人機能の改善に影響を与えることが示され、自閉スペクトラム症者に対する有用性が示唆された。 この研究からは、看護介入プログラムの効果の維持については明確にはなっていない。そこで、看護介入プログラムの効果の維持について検討することを目的に本研究を実施した。 平成28年度は、自閉スペクトラム症者8名(前半組)から研究参加への同意を得て看護介入プログラムを実施した。 8名を対象にプログラム実施前後で比較したところ、認知行動的セルフモニタリング尺度では、実施前の中央値は23.5、実施後の中央値は20.0で実施後の方が有意に低かった(p<0.05)。自意識尺度日本語版では、実施前の中央値は41.0、実施後の中央値は36.0で実施後の方が有意に低かった(p<0.05)。SRS-Ⅱでは、実施前の総合計の中央値は83.5、実施後の中央値は78.0で実施後の方が有意に低かった(p<0.05)。これらの結果より、看護介入プログラムの実施により、自己に対する意識が高まったことと対人機能の改善したことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者であるが、Aデイケアの主治医や施設長から予定以上の20名を対象者候補として選定していただいており、平成28年度は8名(前半組)から同意を得て実施しているため。 また、平成29年度の研究実施に向けて9名(後半組)から研究参加の同意を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28度に同意を得た8名の対象者(前半組)については、6か月後調査、12か月後維持調査を実施する。 平成29度に同意を得た9名の対象者(後半組)については、看護介入プログラムを実施する。また、実施後は前後の比較を行う。
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Causes of Carryover |
謝金について、平成28年度分と平成29年度を一括して支払う方法に変更になったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査関連の費用に充てる
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