2017 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症者の自己に対する意識を高める看護介入プログラムの効果維持の検討
Project/Area Number |
16K12270
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
関根 正 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (20404931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 自己に対する意識 / 看護介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
青年期以降の自閉スペクトラム症者に対する治療は、二次障害の症状に対する薬物療法だけでは対人関係の改善や長期的な社会適応は見込めないことから、心理社会的介入が必須となる。自閉スペクトラム症者に対する心理社会的介入として、自己への意識を促すような介入が有用と指摘されているが、看護師が実践できる心理社会的介入は報告されていない。そこで、自己への意識を高めることを目的とした全10回の個人面接による看護介入プログラムを作成した。看護介入プログラムを実施した結果、自分に対する意識が高まったことと対人機能の改善に影響を与えることが示され、自閉スペクトラム症者に対する看護介入プログラムの有用性が示唆された。 青年期以降の自閉スペクトラム症者に対する心理社会的介入の確立に向けては、看護介入プログラムの効果の維持についての検討は不可欠であるが、明確にはなっていない。そこで本研究では、看護介入プログラムの効果の維持について検討することを目的とした。 平成29年度は、後半組10名を対象に看護介入プログラムを実施した。看護介入プログラム実施前後で比較したところ、認知行動的セルフモニタリング尺度では、実施前の中央値は20.0、実施後は25.0で実施後の方が有意に高かった(p<0.05)。自意識尺度日本語版では、実施前の中央値は39.6、実施後は41.0で実施後の方が有意に高かった(p<0.05)。SRS-Ⅱでは、実施前の中央値は97.1、実施後は83.5で実施後の方が有意に低かった(p<0.05)。これらの結果より、平成29年度の対象者においても自分に対する意識が高まったことと対人機能の改善に影響を与えたことが示唆され、自閉スペクトラム症者に対する看護介入プログラムの有用性が示唆された。 また、平成30年度に実施する維持調査に向けて対象者18名に再度計画を説明し、研究協力の同意が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、計画よりも多くの対象者から同意を得ることができ、看護介入プログラムを実施することができたため。また、実践前後の評価指標の比較から、自分に対する意識が高まったことと対人機能の改善に影響を与えたことが示唆され、自閉スペクトラム症者に対する看護介入プログラムの用性が示唆されているため。 さらに、平成30年度の維持調査に向けて、対象者から引き続き研究協力の同意を得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前半組8名と後半組10名の計18名を対象として、6か月後維持調査及び12か月後維持調査を行う。また、調査後は全体分析・考察を研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
謝金や旅費の額が変更になったため。 平成30年度の調査関連の費用に充てる。
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