2018 Fiscal Year Annual Research Report
Maintaining the effectiveness of a nursing intervention program to raise awareness of the autistic spectrum disorder towards self Consideration
Project/Area Number |
16K12270
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
関根 正 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (20404931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 自己に対する意識 / 看護介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
青年期以降の自閉スペクトラム症者(以下、ASD者)に対する治療は、二次障害の症状に対する薬物療法だけでは対人関係の改善や長期的な社会適応は見込めず、心理社会的介入が必須となる。ASD者への心理社会的介入として、自己への意識を高めるような介入が有用と指摘されているが、看護師が実践できる心理社会的介入は報告されていない。そこで、自己への意識を高めることを目的とした看護師が実践できる看護介入プログラムを作成した。看護介入プログラムを実施した結果、自己への意識が高まったことと対人機能の改善に影響を与えることが示され、ASD者に対する有用性が示唆された。ASD者に対する心理社会的介入の確立に向けては、看護介入プログラムの効果の維持についての検討は不可欠である。 平成30年度は18名を対象として、看護介入プログラム実施6か月後及び12か月後の効果維持の評価を行った。評価の結果、実施6か月後及び12か月後ともに評価尺度の数値に有意差は認められなかった。このことから、看護介入プログラムの効果は維持されていることが示唆された。一方、実施後6か月後及び12か月後のインタビューデータの質的分析から、日記を書くことや自分の気持ちや疲労度の確認を心掛ける等の「自己モニタリングの継続」、運動や休息をとることを心掛ける等の「日常生活管理の継続」、家族や職場の人と話すことを心掛ける等の「他者との関わりの継続」、服薬の継続やデイケアの利用を心掛ける等の「医療とのつながりの継続」の4つのカテゴリーが抽出された。 以上より、看護介入プログラムはASD者の自己への意識を高めることが期待でき、自己への意識が高まることによって、自分自身をモニタリングして把握しようとする意識や、自分自身や日常生活をコントロールしようとする意識や行動が維持される可能性があると推測できた。
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