2017 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者の回復を支援するマインドフルネスを用いた看護方法の開発
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16K12274
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
立石 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00514861)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マインドフルネス / 看護 / うつ病患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究の協力が得られた単科の1精神科病院において、倫理審査委員会の承認を得て、病院に勤務する看護職を対象に、研究の参加者を募り、対象者にマインドフルネス研修を実施した。対象者は、マインドフルネスをうつ病患者の看護に活かしてもらうため、精神科での看護師としての経験年数が3年目以上で、本研究への参加の同意が得られた者とした。マインドフルネス研修の実施時期や実施回数、時間については、看護部の教育担当者に相談・調整し、日勤者が多い曜日で、2週間に1回、勤務後の17時半~18時半に1時間、対象病院の作業療法室をお借りして、計8回実施した。(これとは別に、欠席となった参加者のために、補修の研修を1回実施した。)研修の参加者は計14名であり、そのうち現在、研究への協力への同意が得られている者は8名である。研修の実施時期は、平成29年10月~平成30年3月までであり、来年度、インタビュー調査を進める予定である。マインドフルネス研修内容は、1回目:マインドフルネスとは(レーズン瞑想、呼吸瞑想など)、2回目:マインドフルネスの実践1(ボディスキャンなど)、3回目:マインドフルネスの実践2(ヨガ瞑想) 、4回目:マインドフルネスの実践3(歩く瞑想、香りの瞑想)、5回目:うつ病の特徴とマインドフルネスの効果(マインドフルリスニングなど)、6回目:うつ病患者の看護で感じていること(感じていることのシェア、視覚の瞑想)、7回目:慈悲とマインドフルネス、日本の文化とマインドフルネス(慈悲の瞑想など)、8回目(フォローアップ研修):日常に活かし、継続していくために(身体、そして空間を感じ、気づきを深めていく瞑想、忙しい日常の中で継続する工夫についてシェアリング)であった。参加者が継続して研修に参加することがやはり難しく、14名中、5回以上研修に参加した者は8名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、2年目に計画していたマインドフルネス研修を、対象施設の倫理審査委員会の承認を得た上で、研究への同意の得られた看護職に実施することができた。研究対象者の数は、やはり勤務の関係で研修に参加できない者も多く、計画していた人数よりも少なくなったが、マインドフルネスに興味をもつ熱心な参加者が集まり、継続して参加して下さったことで、研修グループによる気づきが深まった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、研修に参加して下さった対象者の方へのインタビューを実施し、分析を進めていく予定である。マインドフルネスは、日常の中で活かせるようになるまで時間がかかるので、研修が終わった参加者に対して、質問などがあればフォローしていき、まず自分自身で体験した上で、うつ病患者の看護に活かしていけるように、継続してサポートしていく体制を構築していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度実施した研修にかかる費用が、参加者が使用するヨガマットなど、実施場所の作業療法室のヨガマットを借りることができたことで、支出が少なくなった。また、研究代表者の家庭の事情により、情報収集のための学会参加があまりできず、学会参加費や旅費の支出が少なくなったため。来年度は、今までの研究の成果について学会発表をしたり、質的研究の分析に関する書籍を購入したりすることに研究費を使用予定である。
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