2017 Fiscal Year Research-status Report
地域で生活する精神障害者とその家族のリカバリーを支える心理教育プログラムの開発
Project/Area Number |
16K12276
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
内山 繁樹 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (80369404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 薫 関東学院大学, 看護学部, 講師 (70442077)
栗城 尚之 関東学院大学, 看護学部, 助教 (90786344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心理教育 / リカバリー / IMR / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生活を共にする統合失調症とその家族を共に支援するリカバリー志向の心理教育により両者の変化とその有用性を明らかにすることである。統合失調症にIMR(Illness Management and Recovery),家族にFPE(Family Psycho Education)プログラムの実践から両者を共に支援する統合したリカバリー志向の心理教育の開発に向けて検討することである。研究デザインは,縦断的介入による評価研究である。IMRを統合失調症8名(脱落2名),90分/1回/週,5月~翌年1月末まで計36回実践した。しかし,家族のリクルートがうまくいかず,今年度は新たに家族会に参加し家族支援のニーズを調査した。また,IMRに参加した新人スタッフに精神障害者のリカバリーについてインタビューを行った。 当事者は,リカバリーゴールを目指した生活の取り組み,入院に至らない再発防止の工夫,希望・目標への求める生き方を主体的に追求するプロセスはリカバリー促進につながっていた。また家族は,生活困難や負担感の軽減,ストレス緩和等についてニーズが高かった。新人スタッフは,【リカバリーが共通言語になる】ことを実感し,【暮らしの中でできることを共に考える】ことをIMRの中でも日常の相談の中でも大切にし,【日常とIMRをつなげる】工夫をしていた。また,【希望を後押しする】ことを意識し,【目標や希望が蓄積される】ことを感じ,当事者の【変化を感じられる】実感を得ていた。 これらの取り組みは,IMRの普及活動として第42回日本精神科看護学術集会,リカバリー全国フォーラム2017,日本精神障害者リハビリテーション学会第25回,リカバリー全国フォーラム地方版分科会(久留米,岡山,山梨)で研修セミナーと研修会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
家族へのFPEの実践とインタビューおよび本人・新人スタッフの量的分析が途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はIMR参加者が9名でスタートできているのが,比較的重症な当事者であるためにドロップアウトを生じないよう留意しながら進めて行く。また,当時者の家族がFPEに参加できるようリクルートを強化していく。さらに,暮らしを共にする当事者とその家族を対象とした統合したリカバリー志向の心理社会的プログラムモデルについて検討をすすめる。
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Causes of Carryover |
フィンランドでの視察を兼ねた9月のオープンダイアローグ研修の受講を2名で計上していたが,研修が4月になったことで1名が受講できなくなったためである。 今年度は,NPO法人ダイアローグ実践研究所主催のOD・AD視察研修の受講を予定している。
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