2017 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養する認知症の人の生活リズム障害と行動心理症状を軽減する看護支援プログラム
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16K12283
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小松 光代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20290223)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 生活リズム障害 / 行動心理症状 / 在宅 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、看護支援プログラムの実施について関係機関あて対象選定を依頼したが、該当者、協力者が得られずパイロットスタディのみ実施した。87歳(要介護3)、アルツハイマー型認知症で治療中の高齢者(子供家族と同居)を対象に8日間の日常生活状況と睡眠実態を調査した。 対象者は記憶障害が主で行動心理症状は認めないが複数の既往歴があり、アリセプト以外に5種類の薬剤を内服していた。老研式活動能力は5点と低いが自転車や徒歩で通院可能、日常生活行動は自立、日中の大半を室内で過ごしていた。体格はBMI:17.4、握力は右10.5kg,左12kgと低値であった。食生活はバランス、規則性ともに良好であった。 夜間睡眠は6.5~10時間と不規則で、平均睡眠効率65%、日中の眠気(エプワース日本版尺度)13.0点、毎日約1時間の昼寝が習慣であった。夜間の熟眠感、寝つきの満足度は低く、寝つき、寝起きに要する時間は30分であった。就寝時は「眠気を感じてから床につく」が「皮膚掻痒症」や「体の痛み、肩こり」が寝つきに影響し、時折レストレスレッグ症状を認めた。家族による寝室の室温や照度への配慮はあまり効果的ではなかった。 対象者の睡眠は、同年代に比べて良い状態ではなかった。調査期間中に夜間の行動心理症状は出現しなかったが眠りは浅く、排泄やその他の理由で2回の中途覚醒があり、睡眠維持に問題があった。低栄養で体力が低下した上に睡眠不足が継続すれば、体調不良やさらなる認知機能の低下が懸念された。本対象者は、日中の活動量が一定確保できていたが、就寝時の体調不良や睡眠位相のずれ、睡眠維持や光暴露量の少なさに問題があると推測された。 以上より、体調を整え、光を積極的に浴びて生活リズムを整え、入眠時の深部体温下降に促し体温振幅を上手く活用する等の睡眠の質を上げる看護支援プログラムが有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者を募ったが該当者がなく、協力を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画よりも、かなり遅れている。看護支援プログラムの検討は進行しているため、今後は、協力者を募る対象機関を広げていく。
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Causes of Carryover |
研究の実施に遅れが生じているが、今年度は進める予定である。
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