2019 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養する認知症の人の生活リズム障害と行動心理症状を軽減する看護支援プログラム
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16K12283
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小松 光代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20290223)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / 生活リズム障害 / 在宅 / 行動心理症状 / 睡眠測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、訪問看護ステーションから紹介された2名(男性1名、要介護3、女性1名、要介護5)とその家族を対象に調査を実施した. マット型睡眠測定機器を用いて1週間の睡眠計測と温湿度データロガーにて寝室の環境測定を実施した.24時間生活リズムと食事摂取時間、生活行動、睡眠状態、寝室の環境を総合的に分析し、本人、家族に現状の説明と改善策を提案した.介護者には介護状況や介護負担感に関する聞き取り調査を実施した.改善策の提案後、再度睡眠計測を実施した. 睡眠測定の結果から、1名は1日の大半を窓がなく照度が低い部屋で過ごし昼夜を問わす睡眠時間帯が不規則で夜間はほとんど眠れておらず、食事時間も不規則であった.調査期間中に著しい夜間の行動心理症状は出現しなかった.高齢の妻が介護者で、夜間の中途覚醒に負担感があったため、改善策を提案したが、生活習慣の改善を望まなかった.他の1名は、通所介護の利用日は夜間3~4時間連続して睡眠がとれていたが、利用しない日は昼夜を問わず不規則に眠り、特に夕食後の19時から24時頃に熟睡し、家族が就寝する頃に起きだして大声で叫ぶことがあった.そのため、抗不安薬を処方されており内服すると翌日は持ち越し効果で日中も眠り続ける悪循環を生じていた.住宅が密集した地域であるため、夜間の大声は介護者の負担となっていた.そこで、主治医にこの現状を報告し、午前中に高照度LEDライトを短時間つけること、夕食後の睡眠導入剤の服薬時間を少し遅らせることなどの提案を行ったが継続した実践が難しく睡眠状態の改善には至らなかった.寝室の環境測定から、浴室に隣接した寝室は夜間の湿度が上昇することが明らかとなり環境調整も必要であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査の実施に時間を要するため、一度に大勢の調査を実施することができない
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力者を紹介してもらう関係機関を広げ、調査を実施する
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Causes of Carryover |
研究計画が予定どおりに進行しなかったため次年度使用額が生じた。 2020年度は、計画的に調査を実施する。
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