2018 Fiscal Year Research-status Report
重症者支援ネットワークを活用した機能強化型訪問看護教育プログラムの開発研究
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16K12288
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
小森 直美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 准教授 (70438307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 肇 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 緩和ケア室, 講師 (60772811)
伴 佳子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 准教授 (80726498)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 機能強化型 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域包括ケアシステムにおける機能強化型訪問看護事業所及び機能強化型訪問看護事業所への移行を検討している訪問看護事業所に従事する、看護師の実践力向上と重症者支援を支援するネットワーク構築のための「機能強化型訪問看護教育プログラム」を開発して研修会を試行し、プログラム評価を行うものである。 【本年度の目的】本年度は、機能強化型訪問看護師として活躍できる看護師を育成するための教育内容、方法、年間プログラム、アウトカム等を検討し、プログラムを開発することを目的とした 。 【方法および成果】プログラムは、首都近郊3県の訪問看護事業所に従事する看護師を対象とした教育ニーズ調査の結果と、重症者支援ネットワーク協力者によるケーススタディ法を用いて、以下の方法で進めた。 (1)教育ニーズ調査の結果、最もニーズの高かった教育項目は、がん患者と家族ケアで、次いで医療的ケア児と家族ケア、難病患者と家族ケア、精神障害者及び認知症と家族ケア等の順であったため、全4回のプログラムの骨子に定めた。 (2)典型的な訪問看護実践事例を検討し、プログラムの目標は、①訪問看護の実践に必要な療養者の病態と症状及び治療方法の更新と、フィジカルアセスメント方法の習得、②療養者に対する医療処置を的確に苦痛なく提供できる方法と注意点の習得、③療養の場の特性と療養者各々に即した看護を行うための自己の振り返り、④事業所内の訪問看護師の教育に関する問題解決方法の共有、⑤事業所間の連携方法や内容の共有と定めた。プログラム内容と方法は、①療養者ケアに関するミニ講義、②自己内省方法の助言、③事業所内の教育に関する問題解決方法のディスカッション、④事業所間の連携や協働についてのディスカッションとした。プログラム評価は、出席率、参加者数、参加者アンケート及びグループディスカッション内容の質的内容分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度から平成31年度にかけて、機能強化型訪問看護教育プログラムに基づく研修会を全4回開催する方向で進めていたが、倫理審査委員会昇任までに時間がかかったことにより次年度まで持ち越している。教育プログラムは研修会試行によってプログラム開発の推進に大きく貢献する要素を含んでいるため、次年度は、プログラム評価に至るものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、「機能強化型訪問看護教育プログラム」による研修会を実施する。また、令和元年度までの研究成果を学術集会等で公表することにより、このようなプログラムの必要性や期待について意見交換が進むものと考えられる。 令和元年度に企画している研修会を開催しプログラムを試行することにより、プログラムの完成に近づくものと考える。プログラムによる研修会の開催によって重症者支援ネットワーク協力体制の定着化、機能強化型訪問看護教育の事業所内看護師への働きかけ方などを精錬させることが可能であると考える。 本研究の目的は、1.地域包括ケアシステム内の訪問看護ステーションに従事する看護師と在宅支援診療所医師、特定機能病院である大学病院および教育機関が連携協力して重症者支援ネットワークの構築、2.看護師の実践力の向上、3.事業所内看護教育の充実化、4.機能強化型訪問看護の理解の推進であることを再認識し、本教育プログラムによる訪問看護教育の勧めにとどまらず、今後は、地域包括ケアシステム内の訪問看護の実践を学ぶコアとなるカリキュラムの内容を検討しながら看護の実践能力を育成する仕組み作りに進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和元年度にそれまでの遅延している本研究プログラムによる研修会開催費用と交流費、及び、介入研究を実施するため、その経費を残しておく必要があった。
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Research Products
(4 results)