2016 Fiscal Year Research-status Report
コミュニティの互助促進に向けた行政育成型住民組織の効果的な活動モデルの開発
Project/Area Number |
16K12327
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田口 敦子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70359636)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域包括ケア / 互助 / 住民組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コミュニティの互助促進に向けた行政育成型住民組織の効果的な活動モデルを開発することを目的としている。平成28年度は、「コミュニティの互助」に関するレビューおよび全国調査を実施した。 文献レビューでは、近年の「コミュニティの互助」の概念を、文献により明らかにした。概念分析には、概念の特徴を先行要件、特性・属性、帰結によって明らかにするRogers(2000)の手法を用いた。概念分析の結果を踏まえ, 現代の日本社会における「互助」を以下のように定義した。「費用負担を制度的に裏付けない価値観のもと, 地域において住民が他の住民あるいは地縁に基づいた組織・集団との間で, お互いさまの精神を持って行う自発的・主体的活動であり, 住民間の助け合い・支え合いや生活課題の解決手段として実践されるもの。また, 自助・共助・公助の補完的な役割を果たすものである。」 全国調査では、効果的な活動モデルの作成に向けて、政令指定都市を除く市町村1,898箇所および、政令指定都市の行政区162箇所を対象に自記式質問紙調査を行った。798箇所(回収率42.9%)から回答が得られた。この調査により全国の先駆的な事例を幅広く収集することができた。また、現在の行政育成型住民組織(食生活改善推進員、健康づくり推進員等、愛育班、母子保健推進員等)の実態および課題を明確にすることができた。全国の設置率は、食生活改善推進員は84.5%、健康づくり推進員等は63.2%、愛育班は9.6%、母子保健推進員等は24.9%であった。いずれの組織においても「メンバーが高齢化している」「新しいメンバーがなかなか見つからない」は共通した課題であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通り、平成28年度は「コミュニティの互助」に関するレビューおよび全国調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、計画通りに、活動モデルの枠組みや必要な要素を明確化することを目的に、先駆的事例を対象としたエスノグラフィーを用い、自治体および行政育成型住民組織と協働し活動モデルの作成を行う。 エスノグラフィーを用いて、成功事例を対象にヒアリング調査および参与観察を行う。平成28年度の全国調査で協力があった自治体のうち、互助促進に効果的な行政育成型住民組織活動を5事例程抽出し、リクルートする。ヒアリング調査では、地域特性、行政育成型住民組織の特徴、活動内容やその活動を促進する要因、活動による効果、自治体のこれまでのサポート内容等について尋ねる。また、住民組織活動に参加し、活動内容や参加者への影響を観察する。分析では、ヒアリングや参与観察によって収集したデータに基づいた記述により、反復して出現する現象のパターンを発見・蓄積し、それらを概念レベルで把握し体系的に関連づける。 自治体および行政育成型住民組織と協働し活動モデルを作成では、対象とする自治体を2箇所選定する。自治体や住民組織と協働し、地域特性や資源、住民組織の強み等に着目し、活動モデルを作成する。
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