2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K12330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蔭山 正子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80646464)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神障害 / 育児支援 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障がい者の育児にまつわる問題と対応策を明らかにするために、インタビュー調査を実施した。精神障がい当事者3名、精神障がい者の配偶者8名、精神障がい者である親に育てられた子どもの立場(成人)6名、精神障がい者の親の実母1名へのインタビューを行った。インタビュー調査によるニーズ把握をするとともに、プログラムの実現可能性・普及可能性を高めるために、育児支援の活動の場(沖縄県、滋賀県、大阪府)を把握および運営の支援とニーズのヒアリング(配偶者の会、子どもの会)を行った。これらのヒアリングやインタビュー調査、および、平成28年度に児童虐待対応部署と母子保健部署の支援者に行ったインタビュー調査をもとに支援の手引きを作成し、書籍化している。精神障がいのある親への育児支援として支援者が習得する支援技術には、危機介入、相談関係構築が難しい人への支援、子どもや家族全体の支援、障がいの影響で育児・家事に支障をきたす人への支援、疾患の影響で育児に支障をきたす人への支援、親子一緒に暮らすことが難しい家庭への支援、関係機関で連携した支援、妊娠期からの支援、職場内の体制に関することがあげられた。特に、相談関係構築が難しい人には、関係が切れないようにすること、相手のペースに不用意に巻き込まれすぎないこと、周囲や子どもから糸口を探す、人として親を理解する<積極的傾聴>、日頃から継続的に関わること、相談関係を通して親の生きていく力を伸ばすことが重要であった。しかしながら、熟達者が行っている支援では未だ不十分、不適切な部分もあり、今後の支援のあり方を提言する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ニーズ把握をしたいがインタビュー対象者を見つけることが難しい。また、プログラムの実現可能性を検討することに時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きインタビュー対象者をみつけてインタビューを継続するとともに、プログラム案を検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、プログラムの検討を具体的に行い、試行的に実施する予定であり、そのための会議費、謝金、交通費等にあてる。また、インタビュー逐語録の作成、謝金、交通費、会場費などにも充てる。
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Research Products
(4 results)