2016 Fiscal Year Research-status Report
退職後の団塊世代男性を対象とした介護予防の担い手養成プログラムの開発
Project/Area Number |
16K12332
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
米澤 洋美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (10415474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 美香 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90266669)
北出 順子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (80509282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 団塊世代 / 男性 / 介護予防 / 担い手 / 健康づくり / シルバー人材センター |
Outline of Annual Research Achievements |
退職後の高齢者が健康を維持し、地域で働いたり、社会貢献をする方策を海外と国内の2方向から検討した。 海外ではスウェーデン・ストックホルム市の高齢者支援団体の代表者および加入者の65歳前後の高齢者を対象にしたヒアリング調査を実施し、組織運営および退職後の健康維持やライフスタイルに関する示唆を得た。個人の健康管理への意識付けは彼らの親世代からのポピュレーションアプローチによる影響が大きく高福祉高負担国家でありながら自身の健康は自分で衛るとする考え方を持つ高齢者の語りを多方面で得た。しかし、その一方で教会やコミュニティセンターにチェスやコンサート等の誰もが参加できる場があり、一人でも地域の中の居場所を確保できるような工夫が随所にみられた。 国内では健康づくり事業を先進的に実施してきた地方農村部Aシルバー人材センター会員が中心となって健康づくり活動を企画する会議において、会員の健康課題を見出し、その健康課題の解決に向けて取り組む参加型研究を実施することとした。会の構成員は、当事者である12人のシルバー人材センター会員(以下、メンバーと略記)と事務局、アドバイザーの研究代表者および地域包括支援センター保健師および社会保険労務士からなり、日頃会員が感じている健康課題を抽出する会議を計6回開催した。その結果、メンバーは日頃から働くことによる楽しさや生きがいを感じている反面、将来的に認知症につながるかもしれない兆候や転倒につながる危険性の高い経験、自動車運転上の危険性についても感じていることがわかった。そこで本研究では、上記会議で抽出された内容を基にAシルバー人材センター約300名の会員全員への自記式アンケート調査を作成した。今後実施し分析の後、働く高齢者に求められる健康づくりについて実践と評価を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度のシニアヘルスコーディネーター養成に向けて国内先進事例の収集とパイロット的実践への準備と海外でのヒアリング調査を実施した。国内ではパイロット的実践のため、Aシルバー人材センター会員全員に向けたアンケート調査を会員参加型で作成し、今年度上半期にに実施し、評価する予定である。海外では、スウエーデン版シルバー人材センターとの接触はかなわなかったが、退職高齢者の生きがい支援の団体の代表およびその参加者とのインタビューや移民の退職高齢者、ホワイトカラーの退職高齢者等の多彩な高齢者にヒアリングをすることができた。よって初年度予定していた計画は年度をまたぎ、進行中である。年度内に終わらせることができず進行中であるため、やや遅れているとと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度にモデル実施として地方農村部Aシルバー人材センター会員参加型で作成した質問紙調査を今年度実施し、その結果を会員と共有し、今後求められるプログラムを検討し実践する。その後評価を行い、今年度中に計画から実践、評価までの一連のプロセスを終え、第一サイクルのアクションリサーチを終了する予定である。この一連のプロセスを質的に分析している。 この参加型研究の第一サイクルから他のシルバー人材センターにも応用できる汎用性を抽出し、プログラムを構成する予定である。この一連のプロセスを質的に分析している。 これらの企画プログラムを平成30年度にシニアヘルスコーディネーターを要請プログラムを実証する予定である。
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Causes of Carryover |
国内でのカウンターパートである先進事例をもつシルバー人材センターとの協力依頼に時間を要し、会員への質問紙調査の実施が翌年度に持ち越しになったため、アンケート用紙の印刷および配布、解析等に係る費用も次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上半期には予定の質問紙調査を配布回収し、分析を終える予定であり、その調査に係る昨年度予定していた経費を使用する。その後、今年度予定している調査結果から企画会議、モデル事業実施、実施後の評価会議を実施し今年度の人件費等の研究費を使用する予定である。
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