2018 Fiscal Year Research-status Report
退職後の団塊世代男性を対象とした介護予防の担い手養成プログラムの開発
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16K12332
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
米澤 洋美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (10415474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 美香 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90266669)
北出 順子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (80509282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護予防 / 団塊世代 / シルバー人材センター / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
退職後の高齢者の健康維持・増進のための方策として,高齢者の就労支援の主流であるシルバー人材センターの会員の健康づくり活動に注目した.そこで地方農村部Xシルバー人材センターにおいて行ったパイロット的実践研究に対して,介護予防の担い手養成のための当事者への意欲を引き出す企画とサポートが必要となる行為について整理分析を行った. 実践研究における主体的健康づくり活動の計画・実施・評価までの主体的活動会議プロセスについて質的に分析を行った.全過程中,「特定のコミュニティで解決を要する課題の発見と分析」に最も多くの時間を要した.最終的には,催しとして高齢者疑似体験を開催した.途中,メンバー個人の中で健康課題が浮上しても,現状は<まだ大丈夫>と<他人事>で集団の意思決定に至らなかった.その後,将来へ視点が変化し【老いへの自覚】が決定された.主体的活動会議の継続を望みながら最後まで<他人事>は存在した.また他メンバーはメンバーの決定を容易にするため,体験企画や今後の見通しを描くことを容易にする提案を行っていたが実際には他メンバーの想定通り進まない場面も散見された. 健康課題の意思決定において,メンバーの健康度が<まだ大丈夫>という楽観性における気楽さを生み,複数回決定できない場面に繋がっていたと考えられる.一方,主体的活動会議の運営において,他人事と考える利己的立ち位置と主体的活動会議の存続を探る利他的立ち位置は同時に存在し,主体的活動会議の運営を負担に思いつつも主体的活動会議の意義を理解していたといえる.当事者であるメンバーの主体性の獲得に向けて事務局・保健・福祉・労働などの他メンバーは当事者の意思決定を容易にする役割であって当事者ではないという自覚の上に立つ支援が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までに地方農村部Xシルバー人材センターにおいて行ったパイロット的実践研究に対して,介護予防の担い手養成のための当事者への意欲を引き出す企画とサポートが必要となる行為について整理分析を行う所までを目指しており、そこまでは到達したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はパイロット的実践研究に基づくプログラム分析を基に、介護予防の担い手養成のためのプログラムの提示と評価を行う予定である。これまでの研究結果を関係機関に広く周知し、介護予防の担い手および担い手養成施設からの意見も踏まえたプログラム検証を行うこととする。
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Causes of Carryover |
先進事例のヒアリングおよび、関係施設への研究成果の広報を次年度に持ち越したため、次年度使用額が生じた。次年度は国内外の先進事例に対して有償ボランティアや地域支援事業の枠内での活動も視野にヒアリングを再構成して行うとともに、これまでの研究成果を関係機関に広く周知することで多様な意見を収集し介護予防担い手養成プログラムを完成させたいと考える。
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